コンテンツにスキップ

スノー・エンジェル (映画)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
スノー・エンジェル
Snow Angels
監督 デヴィッド・ゴードン・グリーン
出演者 サム・ロックウェル
ケイト・ベッキンセイル
音楽 デヴィッド・ウィンゴ
ジェフ・マクイワン
撮影 ティム・オー
編集 ウィリアム・アンダーソン
配給 ワーナー・インディペンデント・ピクチャーズ
公開 2007年1月19日(サンダンス映画祭)
アメリカ合衆国の旗 2008年3月7日
上映時間 107分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
テンプレートを表示

スノー・エンジェル』(原題:Snow Angels)は、2007年アメリカ映画。別居中の二組の夫婦とそれぞれの子どもを中心に、田舎町で起こるロマンスと悲劇を描くドラマ映画。監督は『スモーキング・ハイ』のデヴィッド・ゴードン・グリーン、出演は『スリー・ビルボード』のサム・ロックウェルと『アンダーワールド』のケイト・ベッキンセイル

ストーリー

[編集]

ペンシルヴァニアの小さな田舎町の高校で、ブラス・バンドがアメフト応援のための野外練習をしている。教師のチェルヴェニック(トム・ヌーナン)が演奏を止めて生徒たちに説教をしていたとき、どこかから2発の発砲音が聞こえ、皆が何事かと驚く。

場面はその数週間前にさかのぼる。中華料理店で働くアニー(ケイト・ベッキンセイル)は、夫のグレン(サム・ロックウェル)と別居し、母親に手伝ってもらいながら小さな娘タラ(グレイス・ハドソン)を育てている。同じ店でアルバイトをしているアーサー(マイケル・アンガラノ)は、幼いときにアニーにベビーシッターとして面倒を見てもらっていたが、いまは高校生になっている。アーサーの家庭でも両親がうまくいっておらず、父のドン(グリフィン・ダン)が家を出て行くことになっている。高校では悪友のウォレン(コナー・パオロ)と一緒にブラス・バンドに所属し、転校生のライラ(オリヴィア・サールビー)と知り合って、距離が縮まっていく。父のドンは家を出て行き、ひとりアパートでの生活を始める。

グレンはかつて自殺未遂を起こしたことがあったが、別居後には酒をやめて職を見つけ、クリスチャンとして日々の祈りを欠かさず、タラとの面会日を楽しみにしている。アニーはグレンが子どもと会っている間に、親友で同僚のバーブ(エイミー・セダリス)の夫であるネイト(ニッキー・カット)とモーテルで不倫をしている。そのことを知らないグレンはアニーの職場を訪れて、大事な話があると言ってアニーとの食事の約束をとりつける。アニーの母親がタラを預かり、二人はレストランで食事をする。アニーが大事な話とは何かと尋ねると、グレンはただ連れ出したかったのだと説明する。帰り際にグレンはまた誘いたいと言うが、アニーはそれを断る。

その足でアニーはネイトのいるはずのモーテルに向かうが、部屋にネイトはいない。ネイトはモーテルのレシートを妻のバーブに見つかり、不倫を白状して家を追い出されていた。アニーがネイトに電話を掛けるとバーブが出て、アニーを詰って絶交を告げる。アニーが帰宅すると、家の前にネイトが車を停めて待っている。仕方なく家に入れて事の次第を確認するが、ちょうどそのときグレンが家の前を通りかかり、ネイトの車が停まっているところを目にする。グレンはそのままバーへと向かい、やめていたはずの酒を飲み始める。

アーサーとライラは日々の関わりを通じて、少しずつ心を通わせていく。二人でショッピング・モールに出かけた際に、父のドンが知らない女性と腕を組んで歩いているところに遭遇し、アーサーは動揺する。アーサーの母ルイーズ(ジェネッタ・アーネット)は家庭が壊れたことで心のバランスを崩すが、自分の感情を受けとめて立ち直ろうとする。グレンは泥酔状態でアニーの家を訪れるが、ネイトにねじ伏せられてその場を立ち去る。アニーが職場に出勤すると、バーブはアニーを恥知らずと罵り、アニーが店を辞めないなら自分が辞めるしかないと言う。

ある日、体調を崩したアニーが家でうたた寝をした隙に、タラが姿を消す。家の周りをいくら探し回ってもタラは見つからず、アニーはネイトに電話を掛けるが連絡がつかない。ネイトの職場に電話を掛けると、シフトが入っているはずのネイトは仕事を上がったと説明される(ネイトはそのころ、別の女性と会っている)。困り果てたアニーはバーブに助けを求め、駆けつけたバーブが警察に通報する。グレンは警察に事情を聞かれるが、娘に危害を加えるはずがないと答え、怒りを顕わにする。地域一帯に捜索の協力が要請され、アーサーやライラら高校生も捜索に参加することになる。アーサーとウォレンが人気のない水辺でマリファナを吸っていると、小さな手袋が落ちているのが見え、その近くでタラの溺死体が見つかる。

遺体の発見者となったアーサーに母ルイーズが付き添っているところへ父のドンが駆けつけるが、警察官に阻まれてアーサーに近寄ることは許されない。その後、娘を失ったアニーは泣いて暮らし、グレンは酒に溺れる。泥酔したグレンは再びアニーの家を訪れ、バットを持ったネイトの前で泣き崩れ、木に拳を打ち付け、トラックに頭突きをして血を流す。グレンを追い返したネイトに、アニーは家から出て行ってほしいと告げる。ルイーズはドンから手紙を受け取ったが破り捨てたことをアーサーに説明する。アーサーはタラの一件で強いショックを受けているが、ライラとの関わりや対話を通じて少しずつ癒されていき、アーサーとライラはついに結ばれる。

すっかり素面となったグレンがアニーの職場を訪れ、タラとの最後の面会で撮影した写真を渡そうとするが、逆上したアニーともみあいになり、グレンは思わずアニーを殴る。グレンは自分の部屋で祈りをささげた後、両親の家の地下に隠してあったショットガンを持ってアニーの留守宅を訪れ、帰宅したアニーを拘束すると、ボウルの水でアニーの足を洗う。グレンはアニーを連れてタラの遺体発見現場の近くに行き、「準備はいいか」と尋ねる。アニーが泣きながら「いい」と答えると、ショットガンの音が鳴り響く。グレンは車に戻って飼い犬を外に逃がすと、ショットガンの銃口をくわえて自らの頭を撃ちぬく。

そんな事件があった後、少しずつもとの日常が戻ってくるなかで、アメフトの試合に町の人々が集まる。ブラス・バンドの演奏にチェルヴェニック先生は満足げな表情を見せ、バンドのなかにはアーサーやウォレンの姿があり、観客のなかにはライラやルイーズがいる。ルイーズの隣にはドンが座っている。グレンの両親の家では、グレンの母親が家のドアを開け、行方不明のグレンの飼い犬の名前を叫ぶ。

キャスト

[編集]
役名 俳優 日本語吹替
グレン・マーチャンド サム・ロックウェル
アニー・マーチャンド ケイト・ベッキンセイル
アーサー・パーキンソン マイケル・アンガラノ -
ライラ・レイバーン オリヴィア・サールビー -
ネイト・ペティット ニッキー・カット
バーブ・ペティット エイミー・セダリス -
ルイーズ・パーキンソン ジェネッタ・アーネット
ドン・パーキンソン グリフィン・ダン
ウォレン・ハーデスキー コナー・パオロ
チェルヴェニック先生 トム・ヌーナン
タラ・マーチャンド グレイス・ハドソン

脚注

[編集]

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]