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コンゴウアナゴ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
コンゴウアナゴ
Simenchelys parasitica
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
亜綱 : 新鰭亜綱 Neopterygii
上目 : カライワシ上目 Elopomorpha
: ウナギ目 Anguilliformes
: ホラアナゴ科 Synaphobranchidae
亜科 : コンゴウアナゴ亜科 Simenchelyinae
: コンゴウアナゴ属 Simenchelys
: コンゴウアナゴ S. parasitica
学名
Simenchelys parasitica
Gill, 1879
英名
Snubnosed eel
ハワイの深海650m - 950mで捕獲されたコンゴウアナゴ。

コンゴウアナゴ学名Simenchelys parasitica)はウナギ目ホラアナゴ科に属する魚類の一種。水深200m以深の海底で底生生活を送る、腐肉食性深海魚である[1]

コンゴウアナゴが所属するホラアナゴ科は3つの亜科に細分され、そのうちコンゴウアナゴ亜科は本種のみが含まれる単型となっている[2]

分布

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コンゴウアナゴは水深365-2,620mに分布する深海魚で[2]、主な生息範囲は500-1,800mの間と考えられている。これまでに日本近海を含む西部太平洋南アフリカ沖および大西洋から報告されている。

生態

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コンゴウアナゴは腐肉食性の魚類として知られ、死骸や弱った生物を主な餌としている[3]。海底に沈降した大型生物の遺骸に群がり、ときに内部にまで潜り込む習性をもつ。漁獲されたオヒョウカレイ目)などの体内に見出されたことから[4]、当初は寄生性の魚類と考えられ、parasitica種小名が与えられた[2]。しばしば S. parasiticus とも表記されるが[1][5][2]、これは原記載論文での誤記に基づくシノニムで、現在有効とされる学名は S. parasitica である[6]

本種は深海の掃除屋として、食物連鎖の中で重要な役割を担うが、同じ腐肉食者であるヌタウナギ類ほど数は多くないとみられている[7]。一方で、本種の食性には明らかでない部分も多く、無脊椎動物を捕食することもあるなど、腐肉のみに依存してはいない可能性も指摘されている[2]

形態

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コンゴウアナゴはウナギのように円筒状に細長く、体表は粘液質でぬるぬるしている。最大で全長60cm程度にまで成長し[1]、体色は灰色から褐色調。ホラアナゴ科の他の2亜科と異なり、(口先)が尖らず、頭部は丸みを帯びることが最大の特徴である[2]。口は小さく、口元の後端は眼の位置よりも前にある。臼歯状で[5]は小さく皮膚に埋もれる。背鰭と臀鰭は尾鰭と連続し、臀鰭は体の後半部分から起始する[3]

出典・脚注

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  1. ^ a b c 『日本の海水魚』 p.80
  2. ^ a b c d e f 『Fishes of the World Fourth Edition』 p.119
  3. ^ a b 『潜水調査船が観た深海生物』 p.361
  4. ^ 『深海生物ファイル』 pp.180-181
  5. ^ a b 『深海魚 暗黒街のモンスターたち』 p.71
  6. ^ Synonyms of Simenchelys parasitica Gill, 1879”. FishBase. 2009年8月29日閲覧。
  7. ^ 『Deep-Sea Fishes』 pp.147-148

関連項目

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参考文献

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外部リンク

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