オオメマトウダイ科
オオメマトウダイ科 | |||||||||||||||||||||||||||
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Neocyttus helgae
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Oreos | |||||||||||||||||||||||||||
下位分類 | |||||||||||||||||||||||||||
本文参照
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オオメマトウダイ科(学名:Oreosomatidae)は、マトウダイ目に所属する魚類の分類群の一つ。オオメマトウダイなど深海で生活する底生魚を中心に、4属約10種が記載される[1]。科名の由来は、ギリシア語の「oreos(山)」と「soma(体)」から[2]。
分布・生態
[編集]オオメマトウダイ科の魚類はすべて海水魚で、大西洋・インド洋・太平洋から南極海まで、世界中の海に幅広く分布する[1]。とりわけ、南アフリカ沖およびオーストラリア南部の海域における報告が多い[1]。一部の種類は底引き網などで漁獲され、食用魚として利用される[2]。
本科は海底付近を遊泳して生活する、底生性魚類を主に含むグループである[2]。ほとんどの種類は200m以深に分布する深海魚であり、水深400-1,800mにかけての大陸斜面を主な生息範囲としている[1][2]。食性は肉食性で、他の魚類や甲殻類に加え、Pseudocyttus 属の1種(P. maculatus)のようにサルパ類を主食とするものも知られている[2]。卵は浮性卵で、仔魚および稚魚は表層での浮遊生活を経た後に底部に移行する[2]。
形態
[編集]オオメマトウダイ科の仲間は体高が高く、著しく側扁した体型をもつ[1]。他の多くの深海魚と共通する特徴として、眼は非常に大きい[1]。体長20-40cm程度の種が多いが、最大種では全長68cmにまで成長する[2]。口は上向きで、前方に突き出すことができる[1]。鱗は小さく円鱗あるいは櫛鱗で、未成魚は体表の一部に円錐状の甲板をもつ[1]。
背鰭は5-8本の棘条と28-36本の軟条で構成される[1]。腹鰭には5-7本の軟条とともに1本の棘条を備え、棘条を欠く近縁のベニマトウダイ科との鑑別点となっている[1]。胸鰭の鰭条は17-22本で。臀鰭は2-4棘26-33軟条である[1]。椎骨は34-43個[1]。
分類
[編集]オオメマトウダイ科にはNelson(2006)の体系において、4属9種ないし10種が認められている[1]。本稿では、FishBaseに記載される4属10種についてリストする[2]。
ヒョウマトウダイ属のみを含む Pseudocyttinae 亜科と、残る3属が所属する Oreosomatinae 亜科の2亜科に細分する見解もある[1]。
- オオメマトウダイ属 Allocyttus
- ツノマトウダイ属 Neocyttus
- Neocyttus acanthorhynchus
- Neocyttus helgae
- Neocyttus psilorhynchus
- ツノマトウダイ Neocyttus rhomboidalis
- ガクガクギョ属 Oreosoma
- ガクガクギョ Oreosoma atlanticum
- ヒョウマトウダイ属 Pseudocyttus
- ヒョウマトウダイ Pseudocyttus maculatus
出典・脚注
[編集]参考文献
[編集]- Joseph S. Nelson 『Fishes of the World Fourth Edition』 Wiley & Sons, Inc. 2006年 ISBN 0-471-25031-7
- 岡村収・尼岡邦夫監修 『日本の海水魚』 山と溪谷社 1997年 ISBN 4-635-09027-2
外部リンク
[編集]- FishBase‐オオメマトウダイ科 (英語)