オオハコヨコクビガメ

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オオハコヨコクビガメ
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 爬虫綱 Reptilia
: カメ目 Testudines
亜目 : 曲頸亜目 Pleurodira
: ヨコクビガメ科 Pelomedusidae
亜科 : アフリカヨコクビガメ亜科
Pelomedusinae
: ハコヨコクビガメ属 Pelusios
: オオハコヨコクビガメ
P. chapini
学名
Pelusios chapini
Laurent, 1965
和名
オオハコヨコクビガメ
英名
Central african mud turtle

オオハコヨコクビガメ(大箱横首亀、Pelusios chapini)は、ヨコクビガメ科ハコヨコクビガメ属に分類されるカメ

分布[編集]

模式標本の産地(模式産地)はアルバート湖コンゴ民主共和国)。

ウガンダコンゴ共和国、コンゴ民主共和国北部、中央アフリカ共和国

形態[編集]

最大甲長38cmと、ハコヨコクビガメ属内では大型種ではあるが最大種ではない。背甲はややドーム状に盛りあがり、第9縁甲板周辺で最も幅広くなるやや細長い卵型。椎甲板にはあまり発達しない筋状の盛りあがり(キール)があるが、第3-4椎甲板では明瞭。後部縁甲板は外側へ広がりあまり鋸状に尖らずほぼ滑らかで、個体によっては反り返る。背甲の色彩は黒や黒褐色一色。成体では縁甲板の後部が反りかえることがある。 腹甲腹甲板股甲板の継ぎ目(シーム)でわずかに括れる。左右の喉甲板の間にある甲板(間喉甲板)は細長くやや小型で、横幅は左右の腹甲板と股甲板のシームの長さの0.25倍以下。蝶番より前部の甲板(前葉)は短い。左右の腹甲板の継ぎ目の長さ(間腹甲板長)よりも、左右の肛甲板の継ぎ目の長さ(間肛甲板長)が長い個体が多い。左右の肛甲板の間には深い切れこみが入る。蝶番は第5縁甲板中央部に接する。腹甲の色彩は暗褐色や黒一色で、中央部が黄色や黄褐色の個体もいる。

頭部はやや大型で、分厚い。吻端はやや突出する。上顎は先端が浅く凹み、その両脇が突出しわずかに牙状になる。下顎には小さい2本の髭状突起がある。頭部背面の色彩は褐色や暗褐色で、不明瞭な暗褐色の斑紋が入る個体もいる。下顎や頸部腹面の色彩は灰色や黄褐色。頸部背面や四肢、尾の色彩は黒や暗褐色。

幼体はキールが明瞭で、後部縁甲板が弱く鋸状に尖る。成長に伴いキール(第3-4椎甲板のキールは老齢個体でも残る事が多い)や縁甲板の突起は不明瞭になる。

分類[編集]

以前はクリイロハコヨコクビガメの大型個体群亜種とされていた。

生態[編集]

河川の周辺に生息する。

人間との関係[編集]

種小名chapiniJames Paul Chapinへの献名

ペットとして飼育されることがあり、日本にも輸入されている。日本では2003年に初めて確実な輸入例があり、流通はまれ。野生個体のみが流通する。飼育下では人工飼料にも餌付く。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • 安川雄一郎 「CLOSE UP CREEPERS -注目の爬虫両生類-」『クリーパー』第18号、クリーパー社、2003年、68、103-104頁。
  • 海老沼剛 『爬虫・両生類ビジュアルガイド 水棲ガメ2 ユーラシア・オセアニア・アフリカのミズガメ』、誠文堂新光社2005年、106頁。
  • 安川雄一郎 「アフリカヨコクビガメ亜科の分類と自然史 その1」『クリーパー』第34号、クリーパー社、2006年、11、49-50頁。
  • 安川雄一郎 「アフリカヨコクビガメ亜科の分類と自然史 その2」『クリーパー』第35号、クリーパー社、2006年、21頁。