アントン・シュワルツコフ
アントン・シュワルツコフ(Anton Schwarzkopf、1924年7月8日 - 2001年7月30日[1]) は、ドイツ出身の技術者。数多くのローラーコースターを開発し、「コースターの神様」の異名を持つ[2]。マイスター。
略歴
[編集]バーリンゲン(en)(ヴュルテンベルク自由人民州)で車両修理工を営む家庭に生まれ[1]、11人の兄弟姉妹の間に育ち第二次世界大戦後に6人の兄弟とともに父の家業を支える[3]。
馬車の需要が減る中で、1952年にミュンヘンのオクトーバーフェストに出向いた際にサーカスのスタッフとのやり取りの中で遊園地用の遊具の製造を着想し、回転木馬を皮切りに電気自動車・大観覧車などの遊具を製造[3]。
1960年に父が経営していた会社を引き継ぎ[1]、1964年に自身初のローラーコースターとして鋼鉄製コースター[3]「ワイルドキャット」を製造[1]。1973年からパイプ型レールとクロソイド曲線を用いた近代的な垂直ループを取り入れたコースターの開発に着手し[3]、1976年にアメリカのシックス・フラッグス・マジック・マウンテンに「レボリューション」(en)として初導入された[4]。この他垂直ループを2つ組み込んだ「ダブルループ」、往復型垂直ループコースター「シャトルループ」(en)などを開発[5]。
自身の設立した「シュワルツコフ・インダストリーズ」は1970年代から急成長を遂げ移動遊園地向けの遊具の製造を行った他、インタミンと提携して西ドイツ国外の遊園地に遊具を納入したが、2度の破産を経て別会社で製造を継続した[1]。
1995年に遊具開発から引退し、晩年はパーキンソン病に罹患、2001年7月30日に死去した[1]。現在でも、彼の制作した多くのコースターは、世界中の多くのテーマパークで走り続けている。
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c d e f Pantenburg, Michael. “Schwarzkopf Coaster Net – Anton Schwarzkopf”. Schwarzkopf-Coaster.net. Michael Pantenburg / Metamorph. 2022年11月2日閲覧。
- ^ 姫センに日本最大の垂直ループ大型ジェットコースター “コースターの神様”が設計した「ヴィーナスGP」7.16降臨 - PR TIMES
- ^ a b c d 宙返りコースター バイエルン製スリル製造機 - リーダーズ・ダイジェスト1981年12月号(日本リーダーズダイジェスト社)
- ^ roller coaster Introduction of steel coasters - Britannica
- ^ Pantenburg, Michael. “Schwarzkopf Coaster Net – The Roller Coasters (catalogue overview)”. Schwarzkopf-Coaster.net. Michael Pantenburg / Metamorph. 2022年11月2日閲覧。
- ^ “アトラクション スリル&スピード”. シャトルループ. ナガシマスパーランド. 2023年4月14日閲覧。