さすらい人の夜の歌
「さすらい人の夜の歌」(さすらいびとのよるのうた、ドイツ語: Wandrers Nachtlied)はドイツの文豪ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの数ある詩の中でも最も有名なもので、世界中のゲーテ愛好家、ドイツ語話者、ドイツ語学習者に愛唱されている。
「さすらい人の夜の歌」には2首あり、ひとつ目は恋人への熱情を直接歌い、二つ目は自然を歌いつつも最後に恋人への思いの中で憩う詩である。
さすらい人の夜の歌1
[編集]この詩の原稿は1776年2月12日に書かれたとゲーテはシャルロッテ・フォン・シュタインへの手紙に書いている。
ドイツ語原詩 |
日本語訳(GFDL) |
フランツ・シューベルトが付けた曲(D 224、1815年)などがある。
さすらい人の夜の歌2
[編集]この詩はドイツ語の詩の中でも完璧な詩であるとされている。1780年9月6日の夕方に、イルメナウにある狩猟小屋で書いたもの、とやはりシャルロッテ・フォン・シュタインへの手紙で書いていて、彼はそこで一夜を過ごしたという。
ドイツ語原詩 |
日本語訳(GFDL) |
この詩の「du」(君、親しい人への呼びかけ)については、美しい自然を歌ったあとに恋人へ呼びかける解釈する人もいるし、また自分自身へ呼びかけているのだという人もいる。 [1] やはりフランツ・シューベルトが付けた曲(D 768、1823年)などがある。
ゲーテは晩年の1831年8月27日にこの狩猟小屋を再び訪れていて、涙にくれたという。それは彼が亡くなる6か月前であった。
参照項目
[編集]脚注
[編集]- ^ 佐々木 庸一著『ドイツ・リート・名詩百選」』 (音楽之友社、1964年)