Wikipedia:秀逸な記事の選考/佐久間ダム 20100212
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賛成/条件付賛成/保留/反対 3/0/0/0 この項目の選考期間は、2010年5月12日 (水) 13:20 (UTC)(2010年5月12日 (水) 22:20 (JST))までです。賛成のみ3票となっています。反対が無ければ、2010年2月25日(木)14:03(UTC)(2010年2月25日(木)23:03)(JST))に早期通過となります。
(ノート) 《推薦理由》自薦です。日本を代表するダムの一つであり、日本の土木技術や河川開発に大きな影響を与えたダムです。今回大幅に手を入れて、ダム記事の一つの「完成形」として仕上げてみました。皆様の忌憚ないご意見をお願いいたします。 河川一等兵 2010年2月12日 (金) 13:20 (UTC)
(条件付賛成)素晴らしい記事だと思います。いくつか気になったところがありましたので、以下に挙げさせていただきます。- 1920年代より構想のあった佐久間ダムの施工がなかなかなされたなかったのは基盤の脆弱さなどいくつかの問題点を抱えていたためと思われます。私の方で確認した『戦後日本の通信簿』(大宅壮一)では簡単に困難が多かったとしか記述されていませんでしたので、ダム建築に際してどのような問題があったのか、どのように解決したのかについて言及する資料があれば追記いただければと思います。
- 『日本の歴史 - よみがえる日本』(蝋山政道)では佐久間ダムの高さについて世界7位としていました。本文中施工の節には世界10位とありますが、こちらに出典を付与いただければと思います。その他の数値も私が確認した資料とは細かな乖離がありましたので、検証可能性を担保する上で明確な出典付与をお願いしたいと思います。
- 1990年の『土と基礎』に「大井川・天竜川水系のダム開発」という論文がありました([1])。堆砂の対策としてスラリー輸送方式という研究がなされていると記載がありましたが、これは本文中にある「バイパストンネル」と同じものでしょうか? 異なるのであれば記載いただければと思います。
- 細かい点ばかりで恐縮ですが、ご検討いただければと思います。--R.Lucy 2010年2月13日 (土) 10:23 (UTC)
- ご質問有難うございます。早速ですがR.Lucy様のご疑問につきまして返答させて頂きます。
- 佐久間ダムの建設がなぜ困難だったかですが、これは事業者である電源開発の『電発30年史』p.80において記載されております。理由は以下の四点です。
- ダム地点は地盤については特段の問題が無かったのですが、両岸が断崖に近い峡谷だったため近づく手段が川舟しかなく、当時主流だったモッコやトロッコを利用した工法が地形的に不可能であったこと。
- 天竜川の水量、特に春から夏に掛けての水量は膨大で、ダムを建設する前段階として流路を建設地点から迂回させる仮排水路トンネルを建設するには膨大な流量を許容できるだけの径を持ったトンネルにしなければならないが、当時のトンネル技術では大口径のトンネル建設自体が不可能であったこと。また洪水に対処できなかったこと。
- 川底に堆積した砂利堆積物が深さ25メートルもあり、それを掘削除去する技術が乏しかったこと。
- 日本発送電分割・民営化で誕生したばかりの電力会社では、ダムを建設するだけの資金調達が独力では不可能であったこと。
- 本文「沿革」に書いてはおりますが、箇条書きで分かりやすく修正いたします。
- 佐久間ダムの高さですが、申し訳ありません。私の誤認でした。1957年の『多目的ダム全集』p.152に当時の世界高ダムランク表があり(日本を除く)、フィート計算だったので再度調べなおしたら7位でした。修正の上抜けていた文献を追加いたします。
- スラリー輸送とバイパストンネルは別ですね。バイパストンネルはダム湖の最も上流部に堰や砂防ダムを設けて、その上流とダム下流をトンネルで繋げて最も土砂流入が多くなる洪水時にダム湖を経由せず土砂を流すことで、堆砂を防止する方法です。詳細はこちらをご覧いただければ分かり易いと思います。スラリーについては文献が無かったので記載しませんでしたが、早速加筆したいと思います。
- 以上三点につきまして回答の上、修正をさせていただきます。その他の数値についての乖離についてもお教え下さい。早速のご指摘有難うございました。--河川一等兵 2010年2月13日 (土) 11:39 (UTC)
- ご回答ありがとうございました。数値についてはノートに記しました。--R.Lucy 2010年2月13日 (土) 12:30 (UTC)
- ご指摘の三項目につきまして加筆修正致しました。なおスラリー輸送については当方のPDFに不具合があり詳細な閲覧が出来ませんでしたので、事実のみを記載いたしました。また細かな数値につきましては、ノートにご返答させていただきます。--河川一等兵 2010年2月13日 (土) 12:55 (UTC)
- (追記)佐久間地点にダム建設が可能になった理由を忘れてました。簡単に言えばバンク・オブ・アメリカの900万ドル借款で資金繰りに目処が立ち、アメリカの土木業者より中古の大型重機を導入できたためです。詳細は「施工」の節で時系列に記載しております。--河川一等兵 2010年2月13日 (土) 13:39 (UTC)
- ご回答ありがとうございました。数値についてはノートに記しました。--R.Lucy 2010年2月13日 (土) 12:30 (UTC)
- 賛成 - 修正を確認いたしました。すばやいご対応ありがとうございました。秀逸記事化へ賛成いたします。--R.Lucy 2010年2月13日 (土) 14:01 (UTC)
- 賛成 満を持してのFA選考となったと思います。もともと河川一等兵さんが執筆する記事はいい記事が多いのですけれども、簡明な文章、適切な文章構成、必要不可欠の脚注・参考文献による検証可能性の担保がなされている記事だと思います。内容面も建設への経緯、補償問題、建設工程、現在抱えている問題点と求められている内容も適切に整備されていると判断します。--Tantal 2010年2月16日 (火) 12:28 (UTC)
- 賛成
(条件付賛成)済 ダムに関し精力的に執筆されている河川一等兵さんに丁寧な執筆御苦労様とねぎらいの言葉をかけたいと思います。経済の観点から拝読しました。文章面、検証可能性の担保についてほぼ問題はないのかなと思います。ただ、一点おやっ?と思ったのは文章ではありません。画像です。佐久間ダム#工事の進行の節にある油圧ショベルの画像、ファイル:Hydraulic excavator.jpgです。文章を読んでいると、佐久間ダム建設の範となったのはTVAとのこと。また、工事の進行の節には「……しかしアメリカから導入されたジャンボドリルなどの大型重機は……」と書かれてあります。しかし、利用されている画像にはKOMATSUのロゴがでかでかと。写真のリンク元にあるPC200-7 GALEOという機種は小松製作所(2002)_環境報告書_p.7によると2001年度の実績とのこと。時代が合わないです。せっかくシーメンスやGE、アトキンソン、バンカメと外国の企業名を書いているのですから、使用された文献にどこの重機が使われていたのか記載されてあれば、それを記載してもらいたいです(アメリカだとキャタピラーかな??)。あるいは、当時の重機の写真は多分に入手は困難かもしれませんのであえて今の写真を使うのであれば、注意書きを画像に書いてほしいところです。些事な点ですが、済み次第、賛成票をつけたいと思います。--Wushi 2010年2月18日 (木) 12:10 (UTC)
- Wushi様、ご指摘有難うございます。些事であれ何であれより完成度の高い記事を目指している立場として、嬉しく思います。さて油圧ショベル画像の件ですが、閲覧者の混乱を避けるため、ご指摘に沿う形で一文を挿入いたしました。また大型重機のメーカーについてですが、事業者である電源開発の『10年史』p.73において使用重機一覧表が記載されておりましたので、これを出典として加筆致しました(仰る通りブルドーザーはキャタピラー社製でした)。メーカー名は原著は英語記載でしたので日本語に直しましたが、間違っていないでしょうか。ご指摘の点については加筆修正を致しましたのでご確認下さい。--河川一等兵 2010年2月18日 (木) 13:24 (UTC)
- 河川一等兵さん、早速の対応有難うございました。メーカー名英語記載を日本語に直したとのことですが、特に間違っていないと思います。ゼネコンに勤めているわけではないので企業名チェックのために、企業名(河川一等兵さんが記載した和名)と建設機械に関してググってみたところ、ガートナー・デンバー(日本現地法人)HP & イプロスHP、ビサイラス・エリー(油圧ショベル、小松製作所HP(沿革、1983年))、ユークリッド(ダンプトラック、日立建機HP(沿革) & 日立建機HP_社員インタビュー(技術系))と検索結果が出ました。小松製作所と日立建機のHPを見ていたら、工事の進行の最後の一文「……重機を始めとした土木の最新技術が日本人技術者に伝えられ、以後急速に日本国内で普及した。」というところはずばり正鵠を得ていますね(自分自身が小松製作所と日立建機のHPを見ることになるとは思ってもいませんでしたが(笑))。賛成票に切り替えたいと思います。加筆御苦労様でした。--Wushi 2010年2月18日 (木) 14:03 (UTC)
- (秀逸)賛成のみ3票より一週間、異論がありませんでしたので、この記事は秀逸な記事となりました。--totti 2010年2月26日 (金) 05:23 (UTC)