Wikipedia:査読依頼/隔週評論 20180511

隔週評論 - ノート[編集]

ヴィクトリア期の雑誌「隔週評論」に関する記事の査読を依頼します。 英語版から訳出して立項したのですが、やや意味を掴みかねている箇所が残り、訳語疑問点テンプレートを張り付けております。 この箇所を中心に、他にも誤訳などございましたら指摘していただけると幸いです。

--おいしい豚肉会話2018年5月10日 (木) 15:15 (UTC)[返信]

【査読】 ──専門家の方による審査結果。
【検証】 ──参考文献などと照合しつつ正確性を評価。
【書評】 ──専門外の方による評価および助言。
翻訳お疲れ様です。「隔週評論」についての知識はありませんが、訳語疑問点が付いていた個所についてコメントします。
  • 「with an investment of £9,000」:investmentは資本金(capital)ではなく出資のほうが良いかと。例えば「~他6名により、9,000ポンドの出資を元に創刊された。」ではどうでしょうか。
  • 「The Fortnightly prospered under John Morley, its sales increasing to 2,500 by 1872.」:「興隆」が硬い感じがします(私なら「発展」にするかな)が、現在の訳で良いと思います。
  • 「the Fortnightly also publishes the winning essay of the Trollope Prize and a series of books and monographs under its "Odd Volumes" imprint. 」:winning essayは受賞論文(入賞論文の訳例あり[1])、インプリントは記事がありますが日本語として馴染みがあるとはいえない言葉であり、個人的にはブランドのほうが分かりやすいかなと思います。私が訳すなら「オンライン版『隔週評論』は「オッド・ボリュームズ(Odd Volumes)」というブランドで、トロロープ賞の受賞論文や、叢書、モノグラフを発行している。」でしょうか。--Iso10970会話2018年5月11日 (金) 03:06 (UTC)[返信]
返信 査読していただきありがとうございます。ご指摘のinvestment→出資、prospered→発展、winning essay→受賞論文については取り入れさせていただきました。「ブランド」についてですが、インプリントを日本語でブランドと呼ぶことについてはやや抵抗があり(とは言えインプリントの記事には「ブランド」とあるのですが……)、文庫レーベル一覧の記事などにも見られるように、「レーベル」が一般的ではないかと言う感覚を持っています。既にあるインプリントの記事を使わないのももったいないので、「インプリント(レーベル)」という形に一旦変更しておきましたが、ご意見ございましたらお聞かせください。--おいしい豚肉会話2018年5月12日 (土) 04:31 (UTC)[返信]
  • コメント 翻訳を中心にコメントします。日本語に訳しにくい文章なこともあり細々と書いてしまいましたが、参考になれば幸いです。--SilverSpeech会話2018年5月11日 (金) 10:32 (UTC)[返信]
    1. 『隔週評論』という日本語訳にはできれば出典をつけた方が良いと思います。
    2. 「19世紀イギリスで刊行された」と書いてありますが、この書き方では1800年代にしか発行されていなかったように読めてしまいます。また、「England」はこの場合イギリスではなくイングランドでしょう。「19世紀のイングランドにおいては~な雑誌の一つだった」といった形で訳してはいかがでしょうか。
    3. 「権威のある」という表現は特定分野専門の雑誌などに使う表現ではないでしょうか。個人的には「prominent and influential」をひとまとめにして「有力誌の一つ」などと訳してもよいと思います。
    4. 「partner」の部分の訳ですが、この書き方だとエリオットが既婚者でルースが不倫相手に見えてしまわないでしょうか。「エリオットを愛人としていた」とか、少し言葉を補って「エリオットとの愛人関係で知られる」とか訳した方がよいのではないでしょうか。
    5. 「platform」を「論壇」と訳すと前後のつながりがやや不自然に感じます。「~思想へ発表の場を提供する」などと訳した方がそれらしい気がします。
    6. 2文目がやや分かりにくそうです。「~紙で創刊号発行を発表する中で、~と述べた」などと訳した方が読みやすいのではないでしょうか。
    7. 「機関誌」だと特定の政党の意見を報道することになってしまいます。「organ」はこの場合、「報道機関」と訳すべきでしょう。
    8. 「unbiassed」はこの場合「partisan」の反対の単語として使われているように見えます。「many and various minds」を偏りなく発表・表現する報道機関を目指したということではないでしょうか。
    9. 「~ of interest」は「興味深い~」と訳します。この場合は「on topics of general interest in ~」で「~の一般的に関心を持たれている話題について」と訳せばよいでしょう。
      1. 私ならルースのコメントは「『隔週評論』の目的は、政治、文学、哲学、科学、美術の分野で一般的に関心を持たれている話題について、多数かつ多様な意見を公平に発表する報道機関になることだ」と訳します。
    10. 「後任を務めた」だと時期がはっきりしませんし、「was replaced」は「後任になった」もしくは言葉を補って「編集長の地位を引き継いだ」などと訳してはいかがでしょうか。
    11. 「人々に知れ渡っていた」だと知名度が高いように聞こえますが、この時点での知名度は記事からは読み取れないので単に「~として知られていた」と訳した方が良いと思います。
    12. 著者の名前についての部分が少し不自然に感じました。私なら「当時は匿名もしくはペンネームで著作を出版するのが一般的であり、この雑誌は記事に著者の実名を記載した最初の出版物の1つだった」くらいに意訳します。
    13. 「at 2 shillings a copy」が翻訳されていません。
    14. 「thereafte」は「後に」ではなく「それ以降は」などと訳すべきではないでしょうか。
    15. 細かいですが「部数」なら「売り上げ」よりは「販売部数」と書いた方がよいでしょう。
    16. 「work place」は「職場、仕事場」の意味なので、この場合は産業革命後の劣悪な労働環境に対する取り組みなどの話ではないでしょうか。
    17. 「publisher」はこの場合「出版者」というよりは「(雑誌の)経営者」あたりではないでしょうか。
    18. 「スペクトル」のくだりが分かりにくいので、「党派の壁を越えて」とか意訳してもよいかもしれません。文脈からいっておそらく「リベラルと保守の両方」ということでしょうが。
    19. 「Ill health forced him to ~」の部分は厳密に翻訳するなら「病気のため彼は~せざるをえなかった」となります。「健康上の理由」だと怪我なども含んでしまうので「病気」と明記した方がよいと思います。
    20. ハリスとコートニーのくだりで西暦が書かれていないので、「1894年に編集者はコートニーに交代した。彼は1928年までの長期間にわたり」といった形で訳してはいかがでしょうか。
    21. 日本語で「時事問題」というと普通は科学関係は含みませんが、「科学の中でも特にastronomy, animal behaviour and topical issues of instinct and morality」となっており「topical issues」は科学、学術的な話題でしょう。「当時話題になっていた本能と道徳」くらいに意訳してもよいかもしれません。
    22. 『ドリアン・グレイの肖像』のところですが、小説の序文ですから「aphoristic」は「格言のような」、つまり「簡潔で優れた表現の」とかいう意味合いだと思います。ただ、百科事典的な表現ではありませんから翻訳しなくてもよいでしょう。
    23. 「March 1891 issue」の「issue」が訳されていません。「1891年3月号」ですね。
    24. 「cease」は「止める」なので「休刊」よりは「発行を停止し~併合された」などと訳した方がよいと思います。
    25. 「director」は通常その組織のトップを意味するので、「director of Institute」なら「研究所所長」ではないでしょうか。
    26. 「現在の編者」のような書き方は不適切なので、出典を探して「○年時点での編集長は」と修正するか、Template:いつを使用した方がよいでしょう。
返信 査読していただいてありがとうございます。調査が必要な点に関しては一旦先送りして、それ以外の点について先に対応させていただきました。
1 例えば『ヴィクトリア朝の文芸と社会改良』P.75には「いわゆる総合雑誌--『19世紀』(Nineteen Century)、『隔週評論』(Fortnightly Review)、『同時代評論』(Contemporary Review)などなど--である。」とありますが、これが出典として適切かどうか、少し悩ましいところではあります。『隔週評論』そのものを主題とした書籍、そうでなくてもこの時代の総合文芸誌を主題とした書籍、あるいは文学や哲学についての事典の項目名などが理想でしょうか。申し訳ないのですが、私個人としてはこの問題にこれ以上踏み込む気はありません。
2-3 訳の良しあしという観点からは離れますが、『20世紀英語文学辞典』ではこの雑誌を「総合文芸誌」と定義していたため、これとSilverSpeechさんに頂いた指摘を組み合わせ、「19世紀イングランドの総合文芸誌の中で有力なものの一つだった」としました。
4 partnerについて、ご指摘の通りです。また、私の「愛人」という訳その物にも、そもそも問題があるのかもしれません。ジョージ・ヘンリー・ルースの英語版の記事によると彼とその妻の関係は「オープン・マリッジ」であったようで、少なくともルースは妻個人に対しては何らやましい点はなかったものと思われます。翻訳元記事の partner という単語はオープン・マリッジの項で説明されている「サテライト・パートナー」を意味しているのでしょう。ここは余り踏み込まず、ジョージ・エリオットに関する記述は全て除去しました。原文が意図しているのは「あの有名なジョージ・エリオットの関係者であるジョージ・ヘンリー・ルース」という紹介なのでしょうが、そもそも日本語話者にとってジョージ・エリオットはそれほど著名とは言えず、ルースの紹介として役に立っていないと思われるからです。
5 確かに前後のつながりがおかしいですね。「幅広い思想に論争の舞台を提供する事を創刊当時の目的としていたが」としました。
6-9 ご指摘ごもっともです。"of interest"レベルの誤訳をするとはお恥ずかしい限りです。ご提案の訳文をそのまま使用させていただきました。
10-11 後の19でご指摘頂いたようにill healthを病気と訳し「病気からルースが編集長を辞しモーリーが後任となった頃には、既に『隔週評論』は党派的に自由党を支持する雑誌として知られていた」としました。
12 少し言葉を補い、「この時代は匿名やペンネームの使用が一般的であったが、『隔週評論』は記事の執筆者の実名を記載して文責を明らかにした出版物としては最初期のものであった。」としました。
13-14 見落としていました。以後気を付けます。「その名が示す通り『隔週評論』は最初の一年間は隔週のペースで刊行され、1部2シリングで販売されていたが、それ以降は月刊へと変更された。」としました。
15 仰る通りです。「モーリーの下で『隔週評論』は発展し、1872年までに発行部数を2500部に伸ばした」としました。
16 ちょっとどう訳すか考えさせてください。
17 publishers が複数形になっていることの意味が取れずおかしな訳になってしまったのですが、この理由が分かりました。『隔週評論』を出版した Chapman and Hall 社の英語版記事には "Chapman & Hall were publishers for Charles Dickens (from 1840 until 1844 and again from 1858 until 1870), William Thackeray, Elizabeth Barrett Browning, Anthony Trollope, Eadweard Muybridge and Evelyn Waugh."とあります。おそらく「人名&人名」という社名の場合は複数形扱いするという事なのでしょう。「出版社」、あるいはSilverSpeechさんの仰る通り「経営者」という訳が正しいようです。
18 「自由主義と保守主義の双方から」としました。
19 「エスコットは病気が原因で『隔週評論』を主導する事が困難となったため」としました。
20 ご提案の訳文をそのまま使用させていただきました。
21 ちょっとこれについても考えさせてください。
22 「ドリアングレイの肖像」の序文ですが、この aphorism は例えではなく言葉通りに「箴言」を意味しています。福田恒存による日本語訳から問題の序文を引用します。
「芸術家とは、美なるものの創造者である。
芸術を顕し、芸術家を覆い隠すことが芸術の目標である。
批評家とは、美なるものから受けた印象を、別個の様式あるいはあらたな素材に移しかえるものを言う。
(中略)
すべて芸術はまったく無用である。」
このように短文の箴言を二十数行並べた物、というのが"aphoristic preface"の指すところです。しかし私の「箴言を列挙した『ドリアン・グレイの肖像』の前書き」という訳があまり良いとも思えません。ここでは「有名で特徴的なあの前書き」以上の意味はないものと判断し、一旦取り除いて単に「序文」としました。
23 見落としていました。申し訳ありません。
24 「雑誌は廃刊ではなく休刊する物」という現代日本のイメージに引きずられたこと、及び『同時代評論』誌が『隔週評論』と同じ会社の雑誌なのかどうかが分からなかったことが原因でボヤけた訳になってしまいました。調べた結果別会社だったため、「1954年、『隔週評論』は『同時代評論』誌に吸収され、その歴史に一旦幕を降ろした。」と変更しました。
25 ご提案通り「研究所所長」としました。
26 オンライン版の隔週評論自身がスタッフを公開しており(The Editors and Contributors.)、放置されている可能性は否定できませんが、これを理由に2018年現在と言ってよいのではないかとは思います。なおこのページではボイルズは筆頭に挙げられており Director かつ Co-editor and managing editor とされていますから「編集長」が相応しそうです。マクファーレンはボイルズを除くと一人しかいない Co-editor ですから「副編集長」でしょうか。「2018年現在編集長はデニス・ボイルズが、副編集長はアラン・マクファーレンが務める」と変更しました。
ひとまず以上となります。--おいしい豚肉会話2018年5月16日 (水) 18:26 (UTC)[返信]


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