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那智参詣曼荼羅(熊野那智大社蔵)

那智参詣曼荼羅熊野那智参詣曼荼羅とも)は、熊野信仰の聖地である熊野那智山を描いた社寺参詣曼荼羅。いかなる受容のされ方をしたのかを示す直接的な史料はいまだ発見されていないが、いくつかの傍証から熊野比丘尼(くまのびくに)による絵解きに用いられていたことは間違いないと考えられている。この曼荼羅に描かれているのは、補陀洛渡海那智滝、年中行事、那智社社殿、妙法山といった那智山をめぐる宗教的な要素、そして聖地における様々な人物たちである。これら諸要素は、巧みな配置を施され、曼荼羅が作製・受容された中世末期から近世初期にかけての宗教的観念を前提とした図像が織り込まれている。また、道と川(滝)、そして道を歩く人物たちの動線も、それらを観衆にたどらせることで、聖地を再構成しつつ曼荼羅の世界に誘うよう配置されている。この曼荼羅を絵解かれた民衆の多くは、現実には熊野へ赴くことは叶わなかったと考えられている。だが、この曼荼羅の絵解きを通じて、眼前に再構成された聖地をたどり、聖地への巡礼を追体験したと考えられている。・・・全部読む