Ro.57 (航空機)

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IMAM Ro.57

Ro.57 第二次世界大戦中にイタリアで生産された双発・単座の戦闘機である。当初は迎撃機として開発されたが、性能不足のため戦闘爆撃機急降下爆撃機として少数が利用された。

概要[編集]

Ro.57は、1930年代中盤に双発長距離戦闘機の開発を目的に試作された機体で、メリディオナリ社としては初の双発大型機の製作であった。原型1号機は、1939年5月に初飛行した。前身の社名がロメオ社といった為にRoという頭文字がついている。

Ro.57は、双発、単座の低翼機で洗練された外観を持っていた。しかし、全金属製の胴体に木製の主翼という木金混合の機体や、水平尾翼は胴体からの斜め支柱で支えられているなど、古典的な造りの部分もあった。尾輪は原型機では引き込み式であったが、構造上の問題で量産機では固定式になった。搭載されたエンジンが低出力だったことから最高速度は500km/hをかろうじて超える程度であり、その上12.7mm機銃2丁という武装は迎撃戦闘機としては物足りない性能であった。ただし、機体の構造強度は高く運動性能は優れていた。

Ro.57は性能的に物足りなかった為長らく試作状態だったが、戦争の進展に伴う全般的な機体不足から200機の製作発注が出された。しかし、後に発注はキャンセルされた為、完成機は50機程度である。完成機は1942年に迎撃部隊に配属されたが能力不足が明らかになったため、後に戦闘爆撃機や急降下爆撃機に転換され地上攻撃任務についた。地上攻撃型はRo.57bisと呼ばれ、機首下面に20mm機関砲2門を新たに搭載し胴体下面に500kg爆弾を懸吊できた。また、外翼下面にダイブブレーキを装備していた。

仕様[編集]

  • 全長: 8.80 m
  • 全幅: 12.50 m
  • 全高: 2.90 m
  • 翼面積: 23.0 m2
  • 全備重量: 4,055 kg
  • エンジン: フィアット A.74 RC38 空冷14気筒 840 hp × 2
  • 最大速度: 516 km/h
  • 実用上限高度: 9,300 m
  • 航続距離: 1,200 km
  • 武装
    • 12.7 mm機銃 × 2
    • 20 mm機関砲 × 2(戦闘爆撃機型)
    • 爆弾 500 kg(戦闘爆撃機型)
  • 乗員: 1名

関連項目[編集]

外部リンク[編集]