RM4SCC
RM4SCC(Royal Mail 4-State Customer Code[1])は、イギリスのロイヤルメールで使用されている、郵便番号を示すバーコードである。ロイヤルメール内ではCBC(Customer Bar Code、カスタマバーコード)と呼ばれている。
エンコードと内容
[編集]RM4SCCで使用されるバーには、短い物、上方に伸びるもの、下方に伸びるもの、上下両方に伸びるものの4種類ある。名称に含まれる"4-State"はこれに由来する。4つのバーで1つの文字を表現する。よって、36種類の文字を表すことができ、右図のように、アルファベットと0~9までの数字に割り当てている。このほかにスタートシンボルとストップシンボルを定義している。
RM4SCCのバーコードは、スタートシンボル、6桁の郵便番号、2桁のDPS(Delivery Point Suffix)、1桁のチェックサム、ストップシンボルからなる。DPSは、1つの郵便番号エリア内の個別の配達先(メールボックス)を識別するために使われるコードで、1Aから9Tまでの2桁のコードが割り当てられている。DPSが割り当てられていない場合には、9Uから9Zまでがデフォルトコードとして使用される[2]。DPSは、ロイヤルメールが提供する郵便番号住所ファイルに記載されている。
チェックサム
[編集]各文字について、構成するそれぞれのバーの上半分と下半分にバーがある場合は1、ない場合は0とし、先頭から4,2,1,0の重み付けをしたものの合計を6で割った余りを求める。例えば、Bのシンボルの上半分は0101で数値は2、下半分は1100で数値は0となる。
上半分 | 下半分 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
0011 | 0101 | 0110 | 1001 | 1010 | 1100 | ||
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 0 | ||
0011 | 1 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
0101 | 2 | 6 | 7 | 8 | 9 | A | B |
0110 | 3 | C | D | E | F | G | H |
1001 | 4 | I | J | K | L | M | N |
1010 | 5 | O | P | Q | R | S | T |
1100 | 0 | U | V | W | X | Y | Z |
バーコード全体について、上半分、下半分のそれぞれについてこの値を合計し、それを6で割った余りを求める[2]。BX11LT1Aというコードの場合、上半分は2+6+1+1+4+5+1+2 = 22 = 6×3+4で余りは4、下半分は6+4+2+2+4+0+2+5 = 25 = 6×4+1で余りは1となる。これを上の表に当てはめたものがチェックサムとなる。上の例の場合は上半分が4、下半分が1のため、チェックサムはIとなる。
RM4SCCを元にしたコード
[編集]PostNLでは、RM4SCCに手を加えたKIX(オランダ語: Klant IndeX、顧客インデックス)を使用している。RM4SCCとの違いは、開始・終了のシンボルやチェックサムを省略していること、郵便番号とサフィックスの間に区切り文字として"X"を挿入すること、バーコードを住所の下に配置することである[3]。
シンガポール・ポストでは、RM4SCCをそのまま使用している[4]。
脚注
[編集]- ^ Hompel, Michael; Büchter, Hubert; Franzke, Ulrich (2007) (ドイツ語). Identifikationssysteme und Automatisierung. Springer-Verlag. p. 80. ISBN 9783540758815
- ^ a b “Know how: a user's manual for Mailsort®, Walksort®, Presstream®, Cleanmail®, Presstream® Walksort®, Royal Mail International Bulk Mail™ and Automated Standard Tariff Large Letter®”. Royal Mail. p. 80 (April 2007). 20 January 2012時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月8日閲覧。
- ^ “Handleiding KIX code” [KIX code manual] (Dutch). PostNL (May 2012). 6 April 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年7月8日閲覧。
- ^ “RM4SCC Barcode Symbology”. Business Refinery. 18 February 2016閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- Royal Mail Cleanmail manual
- tool + font – calculates the checksum character for a postcode and produces its RM4SCC barcode.
- check-digit explanation