P33 (潜水艦)

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P33
基本情報
建造所 ヴィッカース・アームストロング
運用者  イギリス海軍
艦歴
起工 1940年6月18日
進水 1941年1月28日
就役 1941年5月30日
最期 1941年8月に触雷、沈没と推定
要目
基準排水量 540 トン
満載排水量 630 トン
水中排水量 730 トン
全長 191フィート (58.22 m)
16.1フィート (4.91 m)
吃水 15.2フィート (4.63 m)
主機 ディーゼル・エレクトリック2基2軸
*パックスマン・リカルド・ディーゼルエンジン2基 + 電動機
出力 615 hp(ディーゼルエンジン)
825 hp(モーター)
速力 11.25ノット (20.8 km/h) (水上)
10ノット (19 km/h) (水中)
乗員 33
兵装 21インチ(533mm)前部魚雷発射管4門、魚雷8-10本
3インチ(76mm)砲1門
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P33 (HMS P33) は第二次世界大戦中の1941年に就役したイギリス海軍潜水艦U級の第3グループ。

艦歴[編集]

バロー=イン=ファーネスヴィッカース・アームストロング社で建造。1940年6月18日起工。1941年1月28日進水。1941年5月30日就役。

7月15日、「P33」(ホワイトウェイ=ウィルキンソン少佐)はパンテッレリーア島の南で船団を発見[1]。この船団は駆逐艦3隻と水雷艇3隻に護衛されたイタリア船4隻とドイツ船1隻で構成されており[1]、「P33」はイタリア船「バルバリーゴ」(5293トン)に対して魚雷4本を発射して撃沈した[2]。その後、船団の護衛艦は1時間半にわたり爆雷116発を投下した[3]。「P33」はメインバラストポンプ、主電動機1基、縦舵、潜横舵が使用不能となり、深度350フィートまで沈んだ[2]。それまで、U級潜水艦がこの深度まで潜ったことは無かった[3]。だが「P33」は沈没は免れ、マルタに帰投した[3]

8月6日、「P33」はトリポリ灯台の西北西17マイルに向け[4]マルタから出撃した[5]。続いて12日に「P32」が、16日に「ユニーク」が出撃し、18日に「ユニーク」が到着を水中電話で知らせたが、応答したのは「P32」だけであった[4]。同日、「P32」では2時間にわたって爆雷の爆発音が聞こえ、「P32」の艦長は「P33」が攻撃されているのではと考えた[5]。水中電話で「P33」と連絡を取ろうとしたが応答は無かった[6]。以後「P33」からの連絡はなく[7]未帰還となり、喪失の原因は触雷だと考えられる[8]

「P33」および同じく未帰還となった「P32」は触雷沈没と推定されたが、両者の作戦場所には既知のフランスの機雷原しかなかったため沈没原因は機雷ではなく、「P33」はイタリア艦艇によって沈められたのだろう[9]、とするものもある。

脚注[編集]

  1. ^ a b Beneath the Waves、位置6007/10706
  2. ^ a b イギリス潜水艦隊の死闘、118ページ
  3. ^ a b c The History of the British U Class Submarine、位置950/4692
  4. ^ a b イギリス潜水艦隊の死闘、131ページ
  5. ^ a b Beneath the Waves、位置6178/10706
  6. ^ イギリス潜水艦隊の死闘、132ページ
  7. ^ Beneath the Waves、位置6189/10706
  8. ^ The History of the British U Class Submarine、位置981/4692
  9. ^ "The Demise of Force "K"", p. 110

参考文献[編集]

  • ジョン・ウィンゲート、『イギリス潜水艦隊の死闘』、秋山信雄 訳、早川書房、1994年、ISBN 4-15-207857-X
  • Derek Walters, The History of the British U Class Submarine, Pen & Sword Maritime, 2007, ISBN 9781783035960 (Kindle版)
  • A.S Evans, Beneath the Waves: A History of HM Submarine Losses 1904-1971, Pen & Sword Maritime, ISBN 9781473802674 (Kindle版)
  • Joseph Caruana , "The Demise of Force "K"", Warship International, Vol. 43, No. 1, International Naval Research Organization, 2006, pp. 99-111