Garbled Circuit

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Garbled Circuitとは暗号学においてスクランブルされた回路を意味する。

Yao's Garbled Circuit[編集]

アンドリュー・チーチー・ヤオが考案し1986年IEEEの学会で発表したYao's Garbled circuitは、暗号プロトコルを設計する際の強力なフレームワークであり、暗号理論において今も中心的役割を担っている。ただし,このフレームワークを基礎に作った方式は効率が悪いことが知られている。

関数を任意の(確率的多項式時間計算可能)関数とする。

また、二人のユーザAliceとBobがそれぞれ入力をもっており、をお互いの入力を漏らすことなく計算したいものとする。関数として例えば、であるならば、どちらの入力値が大きいかを検証できる。

信頼できる第三者Tedがいる場合を考える。この場合は簡単で、AliceとBobがそれぞれの入力をTedに送り、Tedがを計算して、Bobに送り返せばよい。ここでYaoのGarbled Circuitを利用すると, 第三者の介入なしで、AliceとBobが協力して、お互いの入力値を全く漏らさずに、を計算できる。

この方式は、紛失通信プロトコル擬似ランダム関数があれば実現できる。