Eight-to-fourteen modulation

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eight-to-fourteen modulation (EFM) は、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(LD)、およびHi-MD英語版以前のミニディスク(MD)で使用されているデータ符号化技術(正式には伝送路符号)である。日本語においてはEFM変調と表記されることもある[1][2]が、"modulation"が既に変調の意味である。

関連する符号化として、DVDスーパーオーディオCD(SACD)で使われているEFMPlusがある。

EFMとEFMPlusはどちらもケイス・スホウハメル・イミンクによって発明された。欧州特許庁の元長官のブノワ・バティステリ英語版は、「イミンクのEFMの発明は、デジタル革命に決定的な貢献をした」と述べている[3]

技術的な分類[編集]

EFM[4]直流バイアスのないRLL符号化に分類される。これは以下の2つの特性を持つ[5][6]

  • 符号化されたシーケンスのスペクトル(電力密度関数)が低周波端で消える。
  • 同じ種類の連続するビットの最小数と最大数が指定された範囲内に収まる。

光記録システムでは、サーボ機構は半径方向、焦点方向、回転速度の3次元でトラックを正確に追跡する。ほこり、指紋、小さな引っかき傷などの日常的な取り扱いによる損傷は、取得されるデータに影響を与えるだけでなく、サーボ機能も破壊する。場合によっては、サーボがトラックをスキップしたり、動けなくなることもある。特定のピットとランド[7]のシーケンスは特にディスク欠陥の影響を受けやすいので、そのようなシーケンスが発生しないようにすれば、ディスクの再生可能性が改善され得る。EFMを使用することで、取扱いに非常に強いディスクを製造することができ、非常に効率的な方法で工学上の課題が解決される。

動作原理[編集]

EFMでは、格納されるデータはまず8ビットのブロックに分割される。それぞれの8ビットブロックは、ルックアップテーブルによって対応する14ビットの符号化ワードに変換される。

変換後の14ビットワードは、二進数の2つの"1"の間に最小で2個、最大で10個の"0"が必ず入るように選択されている。これは、ビットがNRZ(I)で符号化されているためである。すなわち、ランドからピットまたはピットからランドへ変化する箇所を"1"、変化のない箇所を"0"としてディスクに記録される。元の符号が"0011"の場合、その前の記録がピットならば"PPLP"、ランドならばその逆の"LLPL"として記録される(ここで、"P"はピット、"L"はランドを表す)。2つの"1"の間に2つの連続した"0"がある場合、ピットまたはランドが3つ連続する。例えば、"010010"は"PLLLPP"(または"LPPPLL")として記録される。EFMシーケンス"000100010010000100"は"PPPLLLLPPPLLLLLPPP"(またはその逆)として記録される。

EFMでは2つの"1"の間に少なくとも2つの"0"があることが保証されているので、全てのピットとランドは少なくとも3ビットクロックサイクルの長さであることが保証される。この特性は、再生機構に使用される光ピックアップに対する要求を減らす(明暗が激しく変化することがない)ので非常に有用である。連続する"0"が最大でも10個であることが保証されているので、再生機器が最悪の条件の場合でもクロック回復を確実にする。

EFMでは、隣接する14ビットワード間に3ビットのマージンビットが置かれる。これは復号化には必要ではないが、指定された最小・最大ランレングス制約に違反することなく連続したコードワードが連結できることを保証する。それらはまた符号化されたシーケンスのDCバランスを維持するために選択される。従って、8ビットのデータを符号化するには17ビットのディスクスペースが必要となる[8]

EFMPlus[編集]

EFMPlus[9][10]は、DVDSACDで使用される符号化技術である。

EFMPlusのエンコーダは、4つの状態を有する決定性有限オートマトンに基づいており、8ビットの入力ワードを16ビットのコードワードに変換する。有限状態機械エンコーダによって生成された二進数シーケンスは、連続する"1"の間に最小で2個、最大で10個の"0"を有する。これは従来のEFMと同じであるが、従来のEFMのようなマージンビットはない。

EFMPlusは、記憶容量をユーザーバイトあたり1チャンネルビット削減することで、記憶容量を1/16 = 6.25%増加させる。EFMPlus生成シーケンスの復号化は、長さ2のスライディングブロックデコーダによって達成される。すなわち、入力ワードのシーケンスを一意に再構成するためには2つの連続するコードワードが必要となる。

脚注[編集]

  1. ^ 用語検索 EFM変調 (Eight to Fourteen Modulation)”. CQ出版. 2019年1月31日閲覧。
  2. ^ EFM変調 - 意味・説明・解説 : ASCII.jpデジタル用語辞典”. アスキー. 2019年1月31日閲覧。
  3. ^ EPO. “Pioneering the digital revolution: Kornelis Schouhamer Immink, developer of CD, DVD, and Blu-ray Disc coding named finalist for the European Inventor Award”. 2015年6月7日閲覧。
  4. ^ アメリカ合衆国特許第4,501,000号, EFM Patent, applied in Compact Disc, CD-R, MiniDisc.
  5. ^ Kees Schouhamer Immink (December 1990). “Runlength-Limited Sequences”. Proceedings of the IEEE 78 (11): 1745-1759. https://www.researchgate.net/profile/Kees_Schouhamer_Immink/publication/2984369_Runlength-Limited_Sequences/links/02e7e537af43a30b34000000/Runlength-Limited-Sequences.pdf. "A detailed description is furnished of the limiting properties of runlength limited sequences." 
  6. ^ Kees A. Schouhamer Immink (November 2004). Codes for Mass Data Storage Systems (Second fully revised ed.). Eindhoven, The Netherlands: Shannon Foundation Publishers. ISBN 90-74249-27-2. https://www.researchgate.net/publication/239666257_Codes_for_Mass_Data_Storage_Systems 2015年8月23日閲覧。. 
  7. ^ ピット(pit)とはディスクの記録面の窪み(反射面から見ると出っ張り)の部分で、それ以外の部分をランド(land)という。
  8. ^ Tekla S. Perry. "Kees Immink: The Man Who Put Compact Discs on Track". 2017. quote: "Three merging bits separate each sequence, for a total of 17 bits to represent each 8-bit chunk of data."
  9. ^ Kees Schouhamer Immink (1995). “EFMPlus: The Coding Format of the MultiMedia Compact Disc”. IEEE Trans. on Consumer Electronics CE-41: 491-497. https://www.researchgate.net/publication/3179483_EFMPIus_The_coding_format_of_the_multimedia_compact_disc. "A high-density alternative to EFM is described." 
  10. ^ アメリカ合衆国特許第5,696,505号, EFMPlus Patent, applied in DVD, DVD±RW, SACD

外部リンク[編集]