シリアルデジタルインタフェース

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コネクタにはBNCコネクタを使用するのが一般的。

シリアルデジタルインタフェース (SDI; Serial Digital Interface)は、ビデオ信号伝送規格の一つ。 標準画質の非圧縮デジタル映像とデジタル音声をBNCコネクタと同軸ケーブル1本で伝送できる。主として業務用ビデオ機器に採用される。

MPEG-2H.264エンコーダー/デコーダを使用して圧縮形式の動画データをSDIにより保存/送受信する事もある。


映像信号はコンポーネント映像信号コンポジット映像信号も伝送されるが、お互いに互換性はない。規格番号はSD-SDIではSMPTE 259MITU-R BT.656。 HD映像を伝送する上位規格はHD-SDI規格である。SMPTE 292Mが適用される。

最長で100m遠方に送信する事が出来るため、中継現場などで威力を発揮する。

SDIの種類

  • SD-SDI
    • D2-SDI:NTSCとPALに対応する。アナログではコンポジットに準ずる。
    • D1-SDI : 525iと625iに対応する。アナログではコンポーネントに準ずる。
  • HD-SDI : 1125iと750pに対応する。当初は1125iのみの対応で後に750pに対応した。アナログではY.Pb.Prに準ずる。
  • 3G-SDI : アナログではY.Pb.Prに準ずる。
  • 6G-SDI : アナログではY.Pb.Prに準ずる。
  • 12G-SDI : 4Kに対応する。SMPTE ST-2082準拠。アナログではY.Pb.Prに準ずる。
  • dual-link HD-SDI : HD-SDIを2本1組で使用する事によって、4:2:2までの1080/60p映像と4:4:4映像に対応した。アナログではY.Pb.Prに準ずる。
  • Quad-Link 3G-SDI : 3G-SDIを4本1組で使用する事で2160pに対応した。

エンベデットオーディオ

映像の他、音声信号も一緒に伝送する事が出来る。

SD-SDIは最大で8ch、HD-SDIは16chのデジタルオーディオ信号を含める事ができる。 エンベデットオーディオはSD-SDIの場合はSMPTE 272M(SMPTE 259Mへの追加規定)、HD-SDIの場合はSMPTE 299M(SMPTE 292Mへの追加規定)により規定されている。

AES/EBUデジタルオーディオ信号8系統をHD-SDIケーブルにより一度に遠方に送信する用途にも使われる。


通常の75Ωケーブルを複数本、何十メートルにも渡って敷設するのに比べ、SDI信号を使用する事により1本のSDI信号で8系統の音声を送信する事が出来る。

またAES/EBUでは不可能だったエンベデットオーディオ特有のエラー訂正情報やデジタルオーディオ位相情報をSDI信号に含める事が出来るため、通常のAES/EBU信号ケーブルに比べ高品質、確実な信号を遠方に送信する事が可能となる。

エンベデットオーディオには一般的なデジタルオーディオ信号であるAES/EBU(またはSPDIF)がそのままラッピングされて8系統入るため、デジタルオーディオ信号をそのまま取り出す事が可能である。

AES/EBU規格が非音声のデータ転送も考慮されているため、エンベデットオーディオに圧縮オーディオを載せる事も可能。

デジタル信号特有の特性として、遠距離になればなるほどデータ化けが発生して全てのデータが無効になってしまう。規格上は100mまで可能となっているが、80m超えなどの遠距離へ信号を送出する場合はデータ化けやケーブルの状態に応じて、リクロック型中継機器を設置するなど注意が必要である。

接続ケーブルはFBケーブル及びHDケーブルを使用する。(仮設用はFWを使う)