オッズ
オッズ(英: odds)は、確率論で確率を示す数値。ギャンブルなどで見込みを示す方法として古くから使われてきた。
元々、失敗 b 回に対して成功 a 回の割合のときに比 a/b として定義された。ある事象の起こる確率 p と起こらない確率 1 − p との比 p / (1 − p) のこと[1]。ある事象の起こる確率 p が 1/2 を超えることはオッズが 1 を超えることに等価であり、0 ≤ p < 1 の範囲で確率とオッズは1対1に対応し、確率とオッズは同じものの別表現になっている。確率が十分に小さいとき(例えば p < 0.1)、オッズは確率とおおよそ等しい[2]。
オッズ Odds と確率 には以下の関係式が成り立つ。
またオッズは上の定義から以下が成り立つ。
2つのオッズの比をオッズ比という。またオッズの対数は、その確率のロジットと呼ばれる。これらは臨床試験の結果の表現や、種々の統計学的解析に用いられる。
ギャンブルにおけるオッズ
オッズは競馬などギャンブルのブックメーカーが見込みを示す方法として、長らく使われてきた。
5回に1回の確率(つまり0.2または20%)で起きる事象は、オッズで表すと
0.2 / (1 − 0.2) = 0.2 / 0.8 = 0.25
となる。このオッズが低いほど、その事象が起きた場合の儲けが多くなる。具体的には、オッズ0.25で1を賭けておくと、当たりの場合には、もとの1に加えて賭け金1 / 0.25 = 4を受け取ることになる(1が5になり、すなわち5倍)。
このオッズの表現法には、4 : 1または4/1(失敗数と成功数)、5.0または5 for 1(もとの賭け金を加えた表現)、+400(賭けた金額100に対する儲けの金額)などといったものもある。
一方、5回に4回の確率(つまり0.8または80%)で起きる事象では、オッズは0.8 / (1 − 0.8) = 0.8 / 0.2 =4となり、4賭けておいて当たりになった場合には、もとの4に加えて4 / 4 =1の儲けが戻ってくる(4が5になり、すなわち1.25倍)。
ヨーロッパやアメリカ合衆国などでの競馬では、単勝オッズが「10-1、5-2、2-1、3-2、30-1」等とよく表記される。ケンタッキーダービー公式ホームページ等の英語サイトを参照。
なお、日本の公営競技においては、しばしば払戻金の倍率(賭けた金が何倍になって払い戻されるか)のことをオッズと呼ぶ[3]。
注
- ^ Miquel Porta 編 著、日本疫学会 訳『疫学辞典』(第5版)日本公衆衛生協会、2010年、277頁。ISBN 978-4-8192-0222-0 。
- ^
- ^ “オッズ(競馬用語辞典)”. 日本中央競馬会. 2020年7月17日閲覧。