ファン人
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ファン人(Fang)は、アフリカの民族。ベティ人のサブグループ(en:Beti-Pahuin peoples)であり、赤道ギニア大陸部(リオ・ムニ)、ガボン北部、カメルーン南部に主に居住する。コンゴ共和国やサントメ・プリンシペにも少数が居住する。言語はファン語を話す。
概説
ファン人は17世紀後半から20世紀初頭にかけて南下し、リオムニやガボン北部に定住した[1]。
赤道ギニアにおいては人口の80%を占める多数派民族[1]であり、さらに初代大統領マシアス・ンゲマおよび第2代大統領テオドロ・オビアン・ンゲマの出身民族であるため、政治の実権を握っている。しかし居住が大陸部にかたより、首都マラボのあるビオコ島では少数派である。また、政治の実権を握るファン人に対し少数派(ビオコ島では多数派)のブビ人やフェルナンディノなどは不満を高めており、非合法野党であるビオコ自治運動による分離要求を招いている。
ガボンにおいても人口の30%を占める最大民族となっている[2]が、政治の実権は南東部の少数民族バテケ人が握っている。初代大統領レオン・ムバはファン人であったが、その政権を継いだオマール・ボンゴ・オンディンバはバテケ人を重用し、ファン人以外の民族グループを糾合することで政権を安定させた[3]。
脚注
- ^ a b 田辺裕, 島田周平 & 柴田匡平 1998, p. 319.
- ^ 田辺裕, 島田周平 & 柴田匡平 1998, p. 109.
- ^ 同朋舎出版 1995, p. 364
参考文献
- Dorling Kindersley 著、オフィス宮崎 訳『ビジュアルデータ・アトラス―絵で読む最新世界情勢 ('95-'96)』(データ監修)大島寛、同朋舎出版、1995年。ISBN 4810421171。
- 田辺裕、島田周平、柴田匡平『世界地理大百科事典2 アフリカ』朝倉書店、1998年。ISBN 4254166621。