コンテンツにスキップ

フェンディ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。はいかぐら (会話 | 投稿記録) による 2023年4月2日 (日) 01:38個人設定で未設定ならUTC)時点の版 ({{宣伝}}、{{出典の明記}})であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

見出しタイトル

フェンディS.r.l.
Fendi S.r.l.
種類 S.r.l.(有限責任会社)
本社所在地 イタリアの旗 イタリア
ローマ
設立 1925年
業種 奢侈品
代表者
主要株主 LVMH
関係する人物
  • Kim Jones (芸術監督)
  • Silvia Venturini Fendi (芸術監督)
  • Delfina Delettrez Fendi (芸術監督)
外部リンク http://www.fendi.com/
テンプレートを表示

フェンディFENDI)は、イタリアを代表する世界的ファッションブランドである。ローマを本拠地とし、フランスLVMHグループに属する。

概要

1925年ローマにて創業。当初毛皮工房であった。1990年代に一時経営難に陥るが、プラダとLVMHの合弁会社に買収されて再建。その後、プラダが保有した全株式をLVMHが取得し、LVMHグループの一員となった。ブランドアイコンとして、縦縞の<ペカン>や<F>を組み合わせた<ダブルFズッカ>、文字盤にカラージュエリーを埋めこんだ美しい時計、<クレイジーカラット>がよく知られている。

現在では、毛皮・バッグ・靴などのレザーグッズをはじめ、服飾、サングラス、宝飾品、時計など、広い分野をカバーしている。展開商品は女性向けのものが多数であったが、2000年代後半から男性向け商品についても展開を本格化させている。

婦人服、ファー製品は<シャネル>と同じドイツ人の<カール・ラガーフェルド>(Karl Lagerfeld)、紳士服は創業家のシルヴィア・フェンディがデザインしている。

2020年9月、キム・ジョーンズがフェンディのクチュールとウィメンズウェアのアーティスティック ディレクターに就任。

略歴

1900年代前半

  • フェンディは、1925年にアデーレ・フェンディとエドアルド・フェンディがローマに創業したブランドです。
  • 1926年には、ハンドバッグ店とファーの工房からなるフェンディ ブティックの第1号店がプレビシート通りにオープンし、瞬く間に成功をおさめました。
  • 1932年、アデーレとエドアルドは、レザー用品とファーのアトリエを新たに併設したブティックをピアーヴェ通りに開店。ローマの馬具職人から受け継いだ技巧を駆使した、ハンドメイドバッグ「セレリア」の全コレクションを発表します。「クオイオ ローマ」と呼ばれる柔らかな上質のグレインレザーに、一つひとつ手作業で孔をあけてハンドステッチを施した、フェンディを代表するユニークなバッグが誕生しました。
  • 1933年、フェンディは風合い豊かな素材「ペルガメーナ」を発表。アイコニックなフェンディのブランドカラーは、その鮮やかなイエローが起源となっています。メゾンの文化的ルーツに深いつながりを持つ「ペルガメーナ」は、トランクやスーツケースの素材として繰り返し用いられ、時の流れとともにフェンディを代表する素材の1つとなりました。
  • 事業の成長とともに、ファーとレザー用品の工房を拡張。1930年代から1940年代にかけて、既にイタリアの首都で名声を誇っていたフェンディは、ローマの外でも知名度の高いブランドへと成長します。
  • 1940年代末から1950年代末にかけて、エドアルドとアデーレの5人娘(カルラ、フランカ、アンナ、パオラ、アルダ)がフェンディで働き始め、姉妹の一人ひとりが新たなエネルギーとアイディアをメゾンにもたらします。

1900年代後半

  • 1950年、フェンディは「Amore」(愛)と名付けた初のハイエンド ファー カプセルコレクションをローマのグランドホテルで発表。また、長いストラップのついたエレガントな初のイブニングクラッチバッグ「エックスレイ」バッグが登場しました。
  • 1964年、躍進するフェンディ姉妹は、ローマ中心地の洗練を極めるボルゴニョーナ通りに、ファーのアトリエを併設した新たなブティックをオープン。同店舗は、その後40年以上にわたり営業を続けることになります。 
  • 1965年にはカール・ラガーフェルドとのコラボレーションがスタート。ラガーフェルドの手により、ファッション革命がもたらされます。ファーは姿を変え、型に入れて成形され、新たにデザインされ、再解釈を経て、柔らかく軽やかでファッション性の高いアイテムへと転生。素材にも変化が訪れ、もはや過去のものとして顧みられなくなっていたレザーの数々が復活し、再び使用されるようになりました。「Fun Furs」(楽しいファー)を意味するFFロゴは、この時期にカール・ラガーフェルドがデザインしています。
  • 1968年、フェンディのレザーアイテム コレクションが複数の米国大手百貨店の目に留まり、ブランドの世界的な成功は決定的なものとなりました。中でも、ブルーミングデールズはニューヨーク5番街のショーウィンドー全体を飾るため、コレクションの全アイテムを買い付けています。
  • その翌年、フィレンツェの由緒ある「ピッティ宮殿」内にある名高い「Sala Bianca」(白の間)で、フェンディ初のプレタポルテ ファーコレクションが発表され、大成功をおさめました。
  • これを機に、フェンディは1960年代末から長期にわたって映画界と強い結びつきを持つようになり、当時の重鎮であったルキーノ・ヴィスコンティ、フェデリコ・フェリーニ、フランコ・ゼッフィレッリ、マウロ・ボロニーニなどの映画監督とコラボレーションを実現。また、世界的なセレブリティとも強いコネクションを築き始め、シルヴァーナ・マンガーノ、ダイアナ・ロス、ソフィア・ローレン、ジャクリーン・ケネディ・オナシス、ソラヤー王妃、ライザ・ミネリ、モニカ・ヴィッティをはじめとする数多くの著名人が、重要なイベントでフェンディをまとうようになりました。映画界とフェンディの関係は、1974年に最高潮に達します。ルキーノ・ヴィスコンティの名作『Gruppo di Famiglia in un Interno』(邦題『家族の肖像』)の中でシルヴァーナ・マンガーノがまとうファーをフェンディが手掛けたのです。
  • 時代とともにフェンディのバッグも変遷をたどり、新たなエレガンスと機能性をたたえる、革新的でスタイリッシュなデザインへと姿を変えていきます。従来のかっちりとしたハンドバッグに相対する、柔らかなアンコン仕立ての革新的なバッグが誕生しました。レザーはプリントを施され、編み込まれ、染色され、なめされて、より柔らかく魅力的に仕上げられ、フェンディの新世代バッグは新たなストーリーの幕開けを迎えます。 ファーとバッグの成功に続き、フェンディはブランドイメージをより完全なものとして演出していきます。
  • 1977年、ファッション史上初の映画とされるジャック・ド・バシェール監督の短編映画『Histoire d'Eau』(水の物語)を媒体として、フェンディ初となるレディ・トゥ・ウェア コレクションが画期的な方法で発表されました。 同年フェンディは、メゾンにとって尽きることのないインスピレーションの源である街、ローマとの強い絆を再確認します。自らとローマの深いつながりを強く打ち出し、「I Muri e le Strade di Roma」(ローマの壁と道)と題した1977-1978年秋冬ファーコレクションを発表。ローマの文化遺産や伝統をインスピレーションに、独特のスタイル、カラー、素材で彩りました。
  • 1982年、フェンディは、ローマ近郊のカスペーリアにある「サルトリア マッソーリ」とコラボレーションをスタート。ドレス職人のマリア・アントニエッタ・マッソーリが開業した同アトリエとの提携は、今日もなお続いています。
  • 1983年、カール・ラガーフェルドとフェンディ姉妹は、フェンディの「ロゴでないロゴ」とされる「ペカン」モチーフを考案。ダークブラウンとブラウンの縞模様は、主張を抑えたブランドのトレードマークとして何年にもわたって使用されています。
  • フェンディの初期ファッションショーの1つは、映画界との強い結びつきを記念してローマの映画撮影所「チネチッタ」内にある著名な「第5スタジオ」で撮影されました。同スタジオをファッションブランドが使用したのは史上初。撮影にはリチャード・ドナー監督の映画『Ladyhawke』(邦題『レディホーク』)のセットが用いられました。
  • 1984年、ブランドの評判が高まる中、そのコレクションはスカーフ、ネクタイ、手袋、サングラスへと拡大します。
  • 翌1985年は、メゾンにとって重要なマイルストーンとなります。ローマ国立近代美術館がフェンディとカール・ラガーフェルドのコラボレーション20周年を祝うために、初めてその扉を開けたのです。
  • 同年、フェンディ初のフレグランスが発表され、さらに1987年には初のフェンディ カーサ コレクションが誕生。また、フェンディはローマの街との深いつながりを再確認すべく、アイコンモチーフ「ジャーノ ビフロンテ」(双面神ヤヌス)を考案しました。頭の前後に顔を持つローマ神話の神は、前の顔で未来と革新を、後ろの顔で過去と伝統を見つめています。
  • 1988年、フェンディはハイエンドウォッチの世界に参入。時計コレクションとともに初のメンズフレグランスを発表し、1990年のメンズウェア市場参入への布石としました。テーラーメードのような細部へのこだわりが光る、クラシックでありながらモダンなメンズウェアが1990-1991年秋冬コレクションで初めて発表され、フェンディの哲学は完成を遂げます。
  • 世界的な成功が続く中、1988年にハロッズの26のショーウィンドーすべてを1つのファッションブランド、フェンディが飾るという史上初の快挙を達成。続く1989年には、米国初となるフェンディ ブティックをニューヨークの5番街にオープンしました。
  • 1992年、アンナ・フェンディの娘であり、フェンディ一族の3代目となるシルヴィア・フェンディがメゾンへ入社。シルヴィアはクリエイティブディレクターであるカール・ラガーフェルドのアシスタントを務め、1994年にはアクセサリーの主任デザイナーに就任。アイコニックな「セレリア」シリーズを再解釈し、瞬く間に話題をさらいます。シルヴィアがデザインを再解釈して発表した新作の「セレリア」シリーズ、ハンドバッグ、トラベルバッグ、レザー小物は、ローマの馬具職人がすべて手作業で作り上げる「クオイオ ローマ」製の限定版シリーズでした。
  • 1997年にはシルヴィア・フェンディの創造性が実を結び、「バゲット」バッグが誕生。同じ名を持つフランスパン(バゲット)のごとく小脇に抱えて携帯する小型バッグは、瞬く間に成功をおさめます。さまざまな珍しい素材から何千ものバリエーションが生まれ、世界各地でたちまち人気を博すとともに、あっという間にマストアイテムやコレクターズアイテムとなりました。「バゲット」バッグにより、フェンディは2000年にファッション グループ インターナショナルのアクセサリー賞を受賞しています。

2000年代

  • 新たなミレニアムは、フェンディにとって大きな飛躍の時代となります。2000年にLVMHグループがフェンディに出資し、翌2001年にフェンディの主要株主となったのです。
  • 2005年、フェンディは自らのルーツであるローマをたたえるべく、イタリアの首都に「パラッツォ フェンディ」をオープン。街の中心地に構えた新本社はスタジオ、ファーのアトリエ、世界最大規模となるフェンディ ブティックを擁し、ブランドのクリエイティブな精神に満ちています。
  • 2007年10月19日、中国の万里の長城を舞台にファッションショーを開催するという比類ないイベントを開き、世界の注目を集めます。
  • 2008年からはDesign Miami/と提携し、限定版デザインに力を入れるとともに新進の若手アーティストの支援を実施。デザイン業界とのユニークなコラボレーションは現在も継続しています。
  • 2009年、シルヴィア・フェンディが「ピーカブー」バッグを考案。2009年春夏コレクションのキャットウォークでバッグが発表されるやいなや、世界中のセレブリティやスタイリッシュな女性の間で人気を博し、アイコンアイテムとなりました。

2010年代

  • 2012年にはアイコンバッグ「バゲット」の15周年を祝い、特別ポップアップストアの出店、リッツォーリ社からの書籍出版、最も人気を博した6モデルの復刻版の発売など、多彩なプロジェクトを展開しました。
  • ローマの高級ファッションハウスとして、フェンディは2013年にイタリアの歴史遺産と文化財を守り、その価値を後世に伝えていくとの決意を表明。「FENDI for Fountains」と名付けたプロジェクトを通し、単独スポンサーとして「トレビの泉」の修復を行います。同プロジェクトの目的は、ローマを代表する壮麗な泉の数々を修復し、街に受け継がれている遺産を守ること。シンボリックな「トレビの泉」を皮切りに、4つの泉からなる「クワトロ フォンターネ」の修復が続きました。また、メゾンはFENDI for Fountainsプロジェクトを記念し、展覧会「The Glory Of Water」を開催するとともに同名の写真集を出版。カール・ラガーフェルドが撮影したローマの泉の写真を一堂に集めた展覧会がパリ、そしてミュンヘンで開かれました。
  • 同年、フェンディは映画界との強い絆を称え、ミラノのマンツォーニ劇場で華やかな展覧会「Making Dreams: FENDI and the Cinema」を開催。また、ルキーノ・ヴィスコンティが1974年に監督し、シルヴァーナ・マンガーノがフェンディのユニークなファーをまとった、ブランドを象徴する映画『Gruppo di Famiglia in un Interno』(邦題:『家族の肖像』)の修復を行います。
  • 2013年9月、同様の熱意を胸にフェンディはソラーリ通り35番にミラノ本社を設立。かつて「アルナルド・ポモドーロ財団」のあったミラノ本社ビルは、芸術および創作活動の地として多くのアーティストが集うユニークな地区に位置しています。
  • ファッションブランドとデザイナーのコラボレーションとして史上最長となる、フェンディとカール・ラガーフェルドのコラボレーション50周年を記念して、フェンディは史上初の「オートフリュール」ファッションショーをパリのシャンゼリゼ劇場で開催。オートクチュール界への第一歩として、ブランド初となるファーのオートクチュールを発表しました。また、フェンディはこの50周年を記念して『フェンディ by カール・ラガーフェルド』を上梓し、カール・ラガーフェルドにオマージュを捧げました。伝統、創造性、現代性をテーマにした素晴らしい物語を紡ぐ、オリジナリティあふれる書籍です。
  • 2015年10月、「イタリア文明宮」にフェンディの新本社が落成し、展覧会「Una Nuova Roma. L’Eur e il Palazzo della Civiltà Italiana」が開かれます。ローマのエウル地区にある個性的な建築モニュメントは、イタリアのクラフトマンシップと創造力あふれる職人技のシンボルとなっています。イタリア文明宮は、20世紀を代表する珠玉のローマ建築。1942年にローマ万国博覧会のために建設されたものの、2015年にフェンディの拠点となるまで公開されたことがありませんでした。
  • 同時期、フェンディが出資する壮大な修復プロジェクトが完了し、トレビの泉が本来の壮麗な姿を取り戻します。フェンディは「ジャニコロ」、「モーゼ」、「ピンチョ丘のニンフ」、「ペスキエーラ」の4つの泉についても2016年に修復や保護を行うと発表しました。
  • 常に伝統とクラフトマンシップの保護に取り組むフェンディは、マリア・アントニエッタ・マッソーリの名を冠した仕立て職人養成学校「Accademia di Sartoria Maria Antonietta Massoli」をサルトリア マッソーリと共にカスペーリアに創立。卓越した技術を持つ新世代の職人の育成を目指します。
  • 2016年には、「パラッツォ フェンディ」がローマにリニューアルオープン。コンドッティ通りと活気あるスペイン広場に面し、さらにコルソ通りとフォンタネッラ・ボルゲーゼ通りが交差する、とても戦略的な地理に位置しています。パラッツォ フェンディはブランドのコアバリューと芸術的情熱に満ちた場所、世界中から人々が訪れる場所として設計されました。5階建てのビルには世界最大のフェンディ ブティックとともに、社内のファー アトリエ、VIPのために特別にデザインされたアパート、くつろぎの滞在を提供するフェンディのブティックホテルを併設。最上階には、ローマ初の国際的なレストラン「Zuma」とルーフトップバーを擁しています。
  • 2016年7月、フェンディは自らとローマを結ぶ深く長い絆を再認識し、創立90周年を祝う舞台として本拠地であるローマの街を選び、ユニークな「オートフリュール」ファッションショーを開催。また、ローマのファッションハウス、フェンディの歴史を紐解くユニークな書籍『FENDI ROMA』を上梓します。
  • 2017年1月より、フェンディはイタリア文明宮における初の現代美術展、イタリア人芸術家のジュゼッペ・ペノーネの個展「Matrice」を開催。この展示会では、1970年代から開催当時にいたるまでに制作された15の芸術作品が、マッシミリアーノ・ジョーニの監修によって選ばれ、過去にほとんど展示されたことのない作品や、イタリア初公開となる作品が多く含まれていました。
  • 2017年2月は、新たなデジタル時代の幕開けとなります。フェンディはブランドの価値観とDNAを若い世代に伝えるため、ミレニアル世代に向けたデジタルプラットフォーム「F is For…FENDI」を発表しました。
  • 2017年3月、フェンディは青少年の育成に焦点を当て、イタリア共和国の文化財・文化活動省の技術機関として文化遺産の保存と修復を専門的に行う研究所「ISCR - Istituto Superiore per la Conservazione ed il Restauro」に、科学技術室を設立。同室はISCR付属の高等専門学校「SAF – Scuola di Alta Formazione」の科学教育の場として使用されます。
  • 2017年5月、フェンディはローマの「パラッツォ フェンディ」正面のゴルドーニ広場に、新たなサイトスペシフィック アートを設置。イタリア人芸術家のジュゼッペ・ペノーネによる「Foglie di Pietra」(石の葉)と名付けられた作品です。公共と民間の効果的な相乗効果が実を結んだ当プロジェクトは、重要な意味を持っています。各段階において入念に検討が重ねられ、特設の合同委員会がアーティストの審査とプロジェクトの承認を決定。同委員会は、イタリア共和国の文化財・文化活動省内にある現代芸術・建築・都市郊外総局、ローマ市(ローマ文化遺産管理局)、フェンディ、展示キュレーターのマッシミリアーノ・ジョーニから構成されていました。この作品は、ローマの公共スペースに初めて常設された現代アートであり、絶えず姿を変えながらも決して歴史的なルーツとの結びつきを失うことのない、ローマの街のアイデンティティを象徴しています。
  • 2017年7月、カール・ラガーフェルドがデザインを手掛けた2017-2018年秋冬オートフリュール コレクション「Flowers From Another World」が発表されます。フェンディのクチュールコレクションがデビューしたパリのシャンゼリゼ劇場で、魔法に包まれたような雰囲気の中、異世界の花々に姿を変えたファーがランウェイに咲き乱れました。
  • 2017年9月、フェンディはボルゲーゼ美術館と3年間のパートナーシップを発表します。プロジェクトは「カラヴァッジョ研究所」の創設や、ロサンゼルスから東アジアまで世界各地におけるカラヴァッジョ展の開催のほか、ボルゲーゼ美術館で開かれる展示会の3年間のサポートを展開。代表的な展示会として、ジャン・ロレンツォ・ベルニーニの作品80点を集めた個展「Bernini」(2017年10月~2018年2月)や、「Picasso La Scultura」(2018年10月~2019年2月)が挙げられます。イタリア初となった展覧会「Picasso La Scultura」は、パリのピカソ美術館主催の国際文化プロジェクト「Picasso-Méditerranée」の1つとして開かれ、ピカソの傑作56点、未発表のスタジオ写真、彫刻制作の背景を説明する動画が一堂に集結しました。ルイージ・ヴァラディエールをテーマにした「VALADIER. Splendour in Eighteenth-Century Rome」(2019年10月~2020年2月)は、フェンディとボルゲーゼ美術館のコラボレーションが実現した3つ目の展覧会となります。
  • 2017年10月、フェンディは長年にわたる映画界との結びつきを記念して、驚きに満ちた革新的なエキジビション「FENDI STUDIOS」を開催。デジタルを駆使したイマージョン型の展示により、フェンディと映画界のつながりを描き出しました。同イベントの会場となったイタリア文明宮はさまざまな映画撮影所に変貌を遂げ、数々の体験型映画セットのほか、本物の映画館までもが設置されました。
  • 2018年4月、フェンディはカプセルコレクション「FFリローデッド」を発表。ロンドン、香港、上海で「FFリローデッド エクスペリエンス」と名付けられた特別記念イベントが開かれました。コレクションには卓越のクラフトマンシップと革新的なデザインが融合するフェンディの独創的なスタイル、ブランドに受け継がれる伝統、1965年にカール・ラガーフェルドがデザインしたアイコニックなFFロゴがすべて取り込まれています。
  • 時を同じくして、フェンディはピーカブー バッグ誕生10周年を記念した「#MeAndMyPeekaboo」をローンチ。世界各地で活躍するアイコニックな女性たち、そして彼女たちとアイコンバッグとのつながりをテーマにした、国際的なデジタルキャンペーンを展開します。
  • 2018年7月、パリのブロンニャール宮殿を舞台に「フェンディ2018-2019年秋冬クチュール」のファッションショーが開幕。第4回目となるクチュールコレクションのデザインを手掛けたのは、カール・ラガーフェルド。モダンで革新的な新しいビジョンを掲げ、幻想と戯れるように、意外性に富んだ前衛的な手法で高価なファーに天然素材を組み合わせました。
  • 2018年10月、FENDI MANIAが初登場。Instagramアーティストの@hey_reillyが考案し、フェンディがアレンジした「FENDI/FILA」のロゴが、ウィメンズ、メンズ、キッズアイテムを彩りました。
  • 2018年12月、フェンディはDesign Miami/と共に、プロジェクト「The Shapes of Water」誕生の10周年を祝います。オランダ人デザイナーのサビーヌ・マルセリスが手掛ける当プロジェクトは、フェンディが最も大切にしているエレメントの1つ、水の再発見をテーマにしています。      また、フェンディは同じく10周年となるアイコニックな「ピーカブー」バッグの誕生記念キャンペーンも引き続き展開。シルヴィア・フェンディによるホワイトキャンバス バージョンの発表を皮切りに、「ピーカブー」は世界のデザイナーによってさまざまに再解釈され、デザインオブジェに昇華しました。
  • 2019年1月、シルヴィア・フェンディは2019-2020年秋冬メンズファッションショーの「ゲストアーティスト」にカール・ラガーフェルドを起用。フェンディに対するカール・ラガーフェルドの総括的な芸術ビジョンがインスピレーションの源泉となり、一度限りの特別なコラボレーションが花を咲かせました。
  • それと同時期に、フェンディは「#BaguetteFriendsForever」をローンチ。「バゲット」バッグと友情を称える短編動画シリーズが、永遠の友情とアイコンバッグとの絆の物語を紡ぎます。
  • 2019年4月、フェンディは2016年にDesign Miami/で発表した「Happy Room」プロジェクトに続き、建築家兼インテリアデザイナーであるクリスティーナ・チェレスティーノとタイアップ。2019年のミラノサローネ国際家具見本市で、フェンディ カーサの新作シリーズとなる「Back Home」プロジェクトを発表します。
  • 「FFリローデッド」と「FENDI MANIA」に続き、2019年5月には「FFシリーズ」から「Roma Amor」コレクションが登場。大胆、カラフル、アイコニックなフェンディのスタイルと、グラフィティアーティストのPREFによる視線を奪う新作のグラフィックFENDIロゴが、さまざまなアイテムにあしらわれました。
  • 2019年5月31日、ファッションショーの舞台でメンズとウィメンズコレクションを同時発表するというブランド初の試みが、上海の宝龍美術館で実現。フェンディは最新の2019-2020年秋冬ウィメンズ&メンズコレクションを通して、カール・ラガーフェルドの偉業、その類まれな創造性、ファッション史上最長となる54年に及ぶフェンディとのコラボレーションを称えました。
  • 2019年7月4日、フェンディはカール・ラガーフェルドにオマージュを捧げ、ローマとの長年にわたる深い絆をあらためて強固なものとすべく、2019-2020年秋冬クチュール ファッションショーの舞台に本拠地ローマを選びます。「The Dawn of Romanity」と題されたコレクションは、カール・ラガーフェルドとメゾンの54年に及ぶコラボレーションにちなみ、54のルックを展開。また、フェンディはこのイベントを機に、永遠の都ローマとの結びつきを祝い、新たに「ウエヌスとローマ神殿」の保護と修復に取り組むことを発表。250万ユーロを拠出し、修復作業と強化工事を支援します。2019年10月、フェンディは世界的に有名なアーティスト、ニッキー・ミナージュとタイアップ。「FFシリーズ」の次章として衝撃的で大胆な「FENDI Prints On」コレクションをウィメンズ、メンズ、キッズ向けに発表します。宇宙服のようなフューチャリスティックなモチーフに、華やかなハイエンドファッションが融合。まばゆく輝くメタリックな質感、豊かな風合い、アイコニックなFFロゴの総柄が特徴のアイテムを展開しました。
  • 2019年12月、フェンディはマイアミで開催されたDesign Miami/で新作オブジェシリーズ「Roman Molds」を発表。アイコニックな本社「イタリア文明宮」屋外の列柱を飾るため、チューリッヒ拠点のデザインスタジオ、クーン・カプート(ロヴィス・カプート&サラ・クーン)がデザインを手掛けたシリーズです。
  • 時を同じくして、フェンディはメゾン・フランシス・クルジャンと提携。それぞれのノウハウと前衛的なスタイルが融合し、「フェンディフレネジア イエロー」が誕生しました。香る「バゲット」と「ナノ バゲット」のバッグを展開する当コレクションには、メゾン・フランシス・クルジャンの開発した特許取得済み技術が生かされています。香るバッグシリーズは、気品あふれる滑らかなレザー、セレリア クオイオローマを使用。フェンディのためにフランシス・クルジャンが調香した、レザーとムスクの香るオリジナルのオードパルファムが調和を奏でます。カナダ系スイス人アーティスト、クリステル・ブールは「フェンディフレネジア イエロー」の香りを視覚化し、「バゲット」バッグにプリントとして描き出しました。

2020年代

  • 2020年6月20日、フェンディはインクルージョン、ダイバーシティ、才能、創造性を振興・支援するため、また世界の人々が共に感動のひとときを過ごせるよう、世界の名門音楽院と共にストリーミングイベント「FENDI Renaissance – Anima Mundi」をスタート。シリーズの第1話ではサンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団が、アントニオ・ヴィヴァルディの「四季」より協奏曲『夏』を演奏。続く各エピソードでは、上海保利大劇院オーケストラがイタリアの名曲を、東京藝術大学の学生たちがジョアキーノ・ロッシーニの「ウィリアム・テル序曲」の『終曲』を、ソウルのセジョン・ソロイスツ室内管弦楽団がアントニオ・ヴィヴァルディの「調和の霊感」より『ヴァイオリン協奏曲 ト長調』(第3番 RV310)を演奏し、最後にニューヨークのジュリアード音楽院の学生たちがオリジナルのジャズ作品を奏でて全エピソードを締めくくりました。
  • その後まもなく、フェンディは「FFシリーズ」の新作となる「カリフォルニア スカイ コレクション」を発表。ロサンゼルスを拠点に活躍するビジュアルアーティスト、ジョシュア・ヴィーダスとのコラボレーションから生まれたアイテムには、ブラック&ホワイトのマーカー風グラフィックが描かれ、ダイナミズムと自由に満ちたカリフォルニアを思わせる、スカイブルーとライラックカラーが広がります。
  • 2020年7月、フェンディはブランド史上初となる動画と画像による世界的なキャンペーンを展開。アイコンバッグ「ピーカブー」に捧げられたキャンペーンの主演は、女優兼プロデューサーのゾーイ・ドゥイッチです。新しいアコーディオン型のフォルムと付け替え可能な内ポケットが特徴の新作「ピーカブー アイシーユー」が登場。ゾーイが偽りのない内なる表情をのぞかせながら、ピーカブーとの絆のストーリーを紡ぎます。
  • 2020年9月、キム・ジョーンズがフェンディのクチュールとウィメンズウェアのアーティスティック ディレクターに就任。
  • 香る「バゲット」シリーズの「フェンディフレネジア イエロー」に続き、フェンディとメゾン・フランシス・クルジャンは「フェンディフレネジア ピンク」を発表します。2020年9月24日、ミラノ・ファッションウィークでデビューを飾った新シリーズの特徴は、ピンク色。フランシス・クルジャンが調香したフローラルノートの生き生きとしたオードパルファムが「バゲット」バッグ、「ナノ バゲット」、新作カードケースから香り立ちます。ローマのStudioAIRA!は、フレグランスを総合的に解釈。「フェンディフレネジア ピンク」の香りを目と耳でも感じられるよう、正弦曲線「Sine」に香りをビジュアル化するとともに「フレグランスの音」へとサウンド化しました。
  • 2020年11月、フェンディはイタリア各地のクラフトマンと手を取り合ったユニークなコラボレーション「ハンド・イン・ハンド」を発表。フェンディが長年にわたり再解釈を続けているアイコンバッグ「バゲット」の制作を通して、イタリアの職人に受け継がれている伝統的な技巧を紹介し、保護し、支援するプロジェクトです。イタリア各州から選ばれた全20のアトリエや工房が「ハンド・イン・ハンド」に参加し、各地の伝統技術を活かして新たな「バゲット」を制作。 こうして伝統的なハンドバッグデザインから、芸術、伝統、歴史を体現する紛れもない「アートオブジェ」が誕生しました。
  • 2021年1月27日、フェンディはパリのブロンニャール宮殿を舞台に、キム・ジョーンズ就任後初となるコレクションを発表。 超越的なロマンスとタイムレスな創造性に彩られたコレクションが、花を咲かせました。キム・ジョーンズがモチーフとしたのは、英国のブルームズベリー・グループの反骨精神と繊細な感性。そして時代を経て語り継がれるローマのファッションハウス、フェンディの歴史です。バージニア・ウルフの永遠の魅力、ヴァネッサ・ベルの自由な創造性、イタリアの彫刻に宿る美学、フェンディのデザイン哲学。2021年春夏クチュールコレクションは、一見するとそれぞれ異なるテーマが織りなす1つの物語なのです。

主要国での店舗展開

イタリア

ローマ、ミラノ、フィレンツェなど主要都市。

アメリカ合衆国

ニューヨークボストン、ビバリーヒルズ、ラスベガス、ヒューストンといった大都市の他、リゾート地のアスペンやコスタメサ等にもある。

日本国内の直営路面店

FENDI GINZA SIX店(2017年4月27日撮影)
FENDI 神戸店

関連項目

  • LVMH - フェンディを経営するフランスの複合企業、LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン
  • DFSグループ
  • シャネル - フェンディと同じカール・ラガーフェルドがデザイナーを務める。

外部リンク