BMW・R75
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BMW・R75は、BMW製のサイドカー付きオートバイである。
概要
主に第二次世界大戦中のナチス・ドイツ軍において使用された。その出自はやや特殊で、オートバイではあるがサイドカーの装着を前提としている。サイドカー側の車輪もレバーで駆動させることができる「パートタイム二輪駆動」構造になっていて、不整地走破性能は当時のサイドカー付きオートバイとしては、非常に高いものであった。
戦後、本車両のデザイン、二輪駆動構造を模倣・参考にしたソ連-ロシア製「IMZ・ウラル」や、現ウクライナ製「KMZ-DNEPR」が現在でも製造されている。また、戦後の東ドイツでは、本車のエンジン改良型「AWO-700」[1]というサイドカーも製造されていた。
なお、後年BMW・R75/5と呼ばれる車種が生産されたが、これは、上記車種とはエンジンのシリンダーレイアウトなどに共通性を見出すことができるものの、実質的には別の車両である。
車両解説
- 変速切替を手元(燃料タンク側面)のレバーと足下のレバーの両方で任意に行える。
- エアクリーナーが燃料タンク上にあり、排気マフラーも極端に上方へ折れ曲がった形状をしており、マフラーまでの高さの水中走行が行える。
- 側車の車輪を駆動するベアリングシャフトは後輪に固定されていて、本車の後輪にはサスペンションがなく、サドルにコイルスプリングが付けられている。側車の舟(乗車部分)は、フレームに板バネを介して懸架されている。
- マフラー下部側面に排気ガスを取り出す管が付けられ、チューブを繋いでハンドル付近に導くことで、排気ガスを利用して手元を暖房できる。
BMW・R75は、よく世界初の二輪駆動型サイドカーと誤認される[独自研究?]が、少なくとも1929年には英国のen:Baughanにより二輪駆動型サイドカーが生産されている。[2]