極性移動
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極性移動(きょくせいいどう、英: Polar auxin transport)とは、植物体内において、植物ホルモンであるオーキシンの移動に方向性があることをいう。これは細胞膜上の、主に PIN と呼ばれるグループのオーキシン輸送タンパク質のはたらきによる。
概要
[編集]茎の頂端部側の切り口にオーキシンを含む寒天を載せると、オーキシンは基部側に向かってすみやかに移動するが、逆向きだとあまり移動しない。このことから、茎ではオーキシンの極性移動が、頂端部から基部に向かう方向であることがわかる。この極性移動は、主としてオーキシンを細胞からくみ出す輸送タンパク質が、細胞膜の特定の面に偏って分布しているために、オーキシンの輸送に方向性が生じることによる。オーキシンを細胞に取り入れる輸送タンパク質も存在するが、オーキシンはこの輸送タンパク質に頼らなくても、ある程度は細胞膜を通過して、細胞内に入ることができる。そのため、一般にオーキシンを取り入れる輸送タンパク質の分布の方が、オーキシンの移動方向に対して大きな影響力をもっている。