コンテンツにスキップ

カンペール (企業)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

2020年12月26日 (土) 11:39; MathXplore (会話 | 投稿記録) による版 (外部リンク)(日時は個人設定で未設定ならUTC

(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
カンペール
業種 ファッションレストランホテル
設立 バレアレス諸島県インカ
本社 バレアレス諸島州インカ
主要人物
ミケル・フルシャー(CEO, 2011-)
製品 の製造
サービス レストランホテルの経営
従業員数
1,001 ウィキデータを編集
ウェブサイト 公式サイト

カンペール(Camper 英語: [ˈkæmpər]; カタルーニャ語: [kəmˈpe])は、スペインバレアレス諸島州インカマリョルカ島)に拠点を置く製造企業。camperとは「田舎の」や「素朴な」を意味する。

左右非対称の靴、奇抜な彩色の靴などで知られている[1]。カンペール・ブランドの靴は世界中に流通しており、ホテルやレストラン業界にも進出している。マリョルカ島には靴や皮革製品のメーカーが多数あり、インカにはロトゥーセスペイン語版(ロトッセ)やヤンコなども拠点を置いている。

歴史

[編集]

17世紀から19世紀にかけてのマリョルカ島インカ周辺ではブドウの生産が盛んだったが、ブドウの木がブドウネアブラムシによって壊滅させられ、多くの住民が皮なめしや皮革製品などの仕事に転じた。1877年、靴職人だったアントニ・フルシャーは近代的な工業生産方法を学ぶためにイングランドに渡った[2]。アントニ・フルシャーはマリョルカ島に戻ると島民を雇い入れ、革新的な機械を用いて靴の製造を行った[2]。後にこの企業はアントニの息子のロレンソ・フルシャーの手に渡った。

1975年、ロレンソ・フルシャーの息子であるロレンソ・フルシャー・ロセリョーが家業を引き継ぎ、企業としてのカンペールを設立した[2]。1981年にはスペイン本土のカタルーニャ州バルセロナに初のカンペール直営店を開設した[2]。1992年には国際化の道を歩み始め、まずはヨーロッパのイギリス・ロンドン、フランス・パリ、イタリア・ミラノ[2]、やがてアジアの日本、台湾・台北に、さらにアメリカ合衆国・ニューヨークに直営店を開設。日本では2003年9月には日本の東京・表参道に公式ショップを開店させた[3]。日本では多くの百貨店に販売コーナーを設けている[3]。2000年にはロレンソ・フルシャー・ロセリョーの息子のミケル・フルシャーが経営に参画し、2011年に最高経営責任者(CEO)となった。今日のカンペールは1,000人以上の従業員を雇用している。2014年には韓国・ソウルと香港に直営店を開設した。

特徴

[編集]

生産機能を有しないマーケティング型企業であり、カンペール自体はデザインやマーケティングに特化し、製造は外部工場に委託している[3]。世界各国からデザイナーを招いている[3]。ホテル業界やレストラン業界にも進出しており、バルセロナやドイツ・ベルリンにカーサ・カンペール(カンペールの家)という名称のホテルが存在する。ロトゥーセもカンペールと同じくフルシャー家が設立したブランドである。

スポーツ大会のスポンサード

[編集]

2006年と2007年にはサッカー大会のコパ・デル・レイのスポンサーとなった。2010年にはヨットレースのTP52メッドカップのスポンサーとなった。2011-12シーズンにはヨットレースのボルボ・オーシャンレースのスポンサーとなった。2013年にはヨットレースのアメリカスカップのスポンサーとなった。

直営店

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ 田澤耕『カタルーニャを知る事典』平凡社, 2013年, p.268
  2. ^ a b c d e 歴史 ルーツ公式サイト
  3. ^ a b c d 坂東省次戸門一衛碇順治『現代スペイン情報ハンドブック 改定版』三修社, 2007年, p.263

文献

[編集]
  • 伊藤宗彦「カンペールのサービス・イノベーション」神戸大学経営研究所, 2014年
  • 西岡健一・南知恵子「カンペールにおけるグローバルブランドの市場展開: 製造小売による小売国際化と市場対応戦略」マーケティングジャーナル, 135号, pp.129-144

外部リンク

[編集]