国鉄ケ120形蒸気機関車
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(魚沼鉄道3号形蒸気機関車から転送)
ケ120形は、かつて日本国有鉄道の前身である鉄道院・鉄道省に在籍した、特殊狭軌線用タンク式蒸気機関車である。
概要
[編集]元は、魚沼鉄道(後の日本国有鉄道魚沼線)に所属した機関車で、1912年(明治45年)および1913年(大正2年)に各1両の計2両がドイツのオーレンシュタイン・ウント・コッペルで製造された。魚沼鉄道では、3, 4と称したが、1922年6月15日の国有化にともない鉄道省籍となり、ケ120形(ケ120, ケ121)と改番された。製造番号は、4が7040であることが確認されている。3については不明確であるが、6076と推定されている。
形態は、30PS形と称する車軸配置0-4-0(B)形7.3トン、単式2気筒の飽和式機関車で、軸距は1,500mmである。
両機は、買収後も魚沼線で使用された(来迎寺機関分庫に所属)が、ケ120が1934年(昭和9年)5月に廃車となった。残るケ121は、1944年(昭和19年)10月の不要不急線指定による路線休止まで使用され、その後は長岡機関区に保管された。同機の廃車は、1948年(昭和23年)度末であった。
主要諸元
[編集]- 全長:5,159mm
- 全高:2,703mm
- 最大幅:1,906mm
- 軌間:762mm
- 車軸配置:0-4-0(B)
- 動輪直径:620mm
- 弁装置:ワルシャート式
- シリンダー(直径×行程):170mm×276mm
- ボイラー圧力:12.3kg/cm2
- 火格子面積:0.3m2
- 全伝熱面積:11.7m2
- 機関車運転整備重量:7.32t
- 機関車動輪上重量(運転整備時):7.32t
- 機関車動輪軸重(各軸均等):3.66t
- 水タンク容量:0.9m3
- 燃料積載量:0.27t
- 機関車性能
- シリンダ引張力:1,350kg
- ブレーキ方式:手ブレーキ
同形機
[編集]武岡軽便鉄道(後の福井鉄道南越線)に2両(1, 2)存在した。こちらの製造番号は、6318, 6319と推定されている。魚沼鉄道4については、メーカーや取扱い商社の記録では武岡軽便鉄道納入となっており、何らかの事情で魚沼鉄道に振り向けられたものと思われる。このうち2については、中遠鉄道に移り4となっている。
参考文献
[編集]- 臼井茂信「日本蒸気機関車形式図集成 2」1969年、誠文堂新光社刊
- 臼井重信「機関車の系譜図 2」1973年、交友社刊
- 臼井茂信「国鉄狭軌軽便線 8」鉄道ファン1983年9月号(No.269)
- 金田茂裕「形式別・国鉄の蒸気機関車 国鉄軽便線の機関車」1987年、エリエイ出版部刊
関連項目
[編集]- 国鉄ケ200形蒸気機関車 - 1926年(大正15年)にケ203が魚沼線に配置。
- 国鉄ケ240形蒸気機関車 - 1933年(昭和8年)に、魚沼線に配置。