電子励起爆薬

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電子励起爆薬(でんしれいきばくやく)とは電子励起状態になった物質を化合させて製造する次世代爆薬の概念である。

爆薬の威力はトリニトロトルエン以来100年以上かけて2倍程度にしか向上しておらず、 現時点で限界に達したと言われている。 実際に、最新鋭の実用爆薬であるCL-20が既存技術での限界点と言われている。 これを打ち破る技術的ブレイクスルーになる、次世代爆薬として研究されているまったく新しい概念の爆薬である。

基本的な概念は、予め原子の周りのエネルギーを高めた物質、つまり電子励起状態の原子を組み合わせて化合物を作れば今までより飛躍的に高いエネルギーを持つ化合物が作れると言う発想である。

2個の電子が励起したヘリウム原子は通常のヘリウムと異なる物性を示し励起状態で準安定化する、 この原子は原子同士が結合して常温から500℃までの温度で固体になると計算されている。 そのエネルギーは理論上はHMXの300倍以上と計算されている。 これはTNT換算すれば1トンの爆薬がTNT500トン分の威力を持つことになり、戦術核兵器並の通常爆弾が開発できることを意味している。 コンピューターによる電子軌道の計算によって励起状態で安定したまま化合物になる可能性が見つかったことから、実際に製造可能だと言われているが、2007現在で実際に合成に成功した事例は無い。 このような研究から金属ヘリウム爆薬と呼べる物ができるのではないかと予想されている。

他にも励起炭素を水素と化合させることが可能であることが実験によって確認されたことから、 励起炭素のベンゼン環を持つ芳香族爆薬の可能性も研究されている。

参考資料[編集]

  • 防衛技術ジャーナル