雪吊

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雪吊

雪吊(ゆきづり・ゆきつり)は、冬季、が付着することで、樹木が折れないようにで枝を保持すること。雪つりとも表記される。北陸地方(特に富山県や石川県)では、専ら雪囲い(ゆきがこい)と呼ばれる。

手法と様式[編集]

手法[編集]

りんご吊り、みき吊り、しぼりなどの種類がある[1]

りんご吊り
樹木の幹付近に柱を立て、柱の先端から各枝へと放射状に縄を張ることをりんご吊りといい、雪吊の代表的手法である。これは、明治以降、西洋リンゴの栽培が日本で始まり、リンゴの実の重さから枝を守るために行った初期の技法に由来する。
みき吊り
高い樹木の幹から縄を張る方法。
しぼり
枝をまとめて縄で縛ったものをしぼりという。

様式[編集]

雪吊りの基本様式には、兼六園式、北部式、南部式がある[2]。兼六園式(りんご吊りの基本様式)をもとに東京都建設局の旧北部公園緑地事務所の北部式と旧南部公園緑地事務所の南部式が派生した[2]

兼六園式
帆柱の頭飾りとして荒縄を巻きつけ、左右と先端に飾りいぼ結びを施し、周囲に裾回し(縁、ブチ)を作らず各縄で直接枝を吊っている[2]
北部式
帆柱の頭飾りにワラボッチ(やこもを編んだ飾り)を付け、周囲に裾回しとする竹の骨(バチ、かんざし)を放射状に組み、先端のブチの割り竹に吊り縄を結ぶ[2]
南部式
帆柱の頭飾りに吊り縄の上端を編んだバレン(まとい)を付けており、北部式とほぼ同じ裾回しだが、先端のブチのシュロ縄に吊り縄を結ぶ[2]

雪吊りが行われる庭園等[編集]

雪の多い日本東北地方北陸地方などで雪吊は用いられる。北陸地方では雪囲い(ゆきがこい)と呼ばれることが多い。代表的なものとして石川県金沢市兼六園があり、例年降雪期前の11月に雪吊が施され、降雪期が終わる3月に外される[3]。兼六園では500本を超える樹木に約1か月半のべ500人以上が雪吊の作業にあたる[1]

また、降雪が少ない関東地方でも、東京都新宿区甘泉園公園では冬の風物詩として雪吊が施される。

脚注[編集]

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  1. ^ a b 庭師の誇り 雪吊りの技”. テレビ金沢. 2021年9月3日閲覧。
  2. ^ a b c d e 千葉公園「松の雪吊り」南部様式”. 千葉市. 2021年9月3日閲覧。
  3. ^ “金沢 兼六園で「雪吊り」外し”. NHKニュース (日本放送協会). (2013年3月15日). オリジナルの2013年3月15日時点におけるアーカイブ。. https://megalodon.jp/2013-0315-2255-14/www3.nhk.or.jp/news/html/20130315/t10013220171000.html 2013年3月15日閲覧。 
  4. ^ ““松の和傘”冬支度 高山陣屋で雪つり”. 岐阜新聞. (2015年11月6日). http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20151106/201511060851_26057.shtml 2015年11月14日閲覧。 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]