コンテンツにスキップ

遮蔽 (図学)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

遮蔽(しゃへい、: occlusion)は図学において3次元空間内の物体が手前にある別の物体によって隠れることである。

オクルージョンとも[1][2][3][4][5]

概要

[編集]
遮蔽がおきている画像(上)とその奥行き(下、奥ほど白)。

人は「奥にある物体は手前にある物体で隠れて見える」ことを直感的に理解できる。これは奥の物体から放たれた光が手前の物体によって阻まれ人の目に届かないことで起きている。この現象が遮蔽である。

3次元空間と2次元平面の関係を研究する図学ではこれを投影の重なりとして定式化できる。これにより遮蔽が起きるか否かは物体同士の位置関係およびカメラの位置に加え、投影方式が重要であることがわかる。

人は遮蔽を直感的に理解しているため、遮蔽は人工的に作られた画像(絵画CG)のリアルさに大きく関わる。絵画における重畳遠近法3次元コンピュータグラフィックスにおける隠面消去やアンビエントオクルージョン英語版拡張現実におけるARオクルージョンは遮蔽を実現・活用するための技法である。

脚注

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ "オクルージョンは 3 次元世界で,前にある対象が後ろにある対象を隠す状態をいう." 以下より引用。工藤. (2021). 研究成果報告書 - 高精細映像受容時のオクルージョン知覚機構に関わる視覚情報処理の分析. 科学研究費助成事業データベース.
  2. ^ "オクルージョン(遮蔽(しゃへい))表現機能などを備える" 以下より引用。日刊工業新聞. 「没入感」一段と、ソニーGの複合現実向け最先端「ヘッド・マウント・ディスプレー」がスゴい. 2023年5月18日発行.
  3. ^ "作業員と建機がお互いにオクルージョンする場合,作業員が完全に見えなくなり" 以下より引用。 肖. (2022). 建設現場におけるオクルージョンを考慮した作業員と建機の追跡に関する研究. 土木学会論文集F3(土木情報学), Vol. 78, No. 2, I_189‐I_198.
  4. ^ "遮蔽物により認識対象の一部分が隠されてしまう ... つまり、物体同士の重なり合い(オクルージョン)により認識対象の部分的な情報しか得られない" 以下より引用。先端ネットワーク研究室. オクルージョンを考慮した花札画像認識とその応用に関する研究. 北海道大学先端ネットワーク研究室HP. 2024-08-12閲覧.
  5. ^ "オクルージョンカリングは、ゲームオブジェクトが他のオブジェクトに隠されていてビューに表示されない (隠されている) ときに、オブジェクトのレンダリング演算を行わない" 以下より引用。Unity. グラフィックス - カメラ- オクルージョンカリング. Unity User Manual 2023.2. 2024-08-12閲覧.

参考文献

[編集]

関連項目

[編集]