遮光器

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カリブー枝角から作られた遮光器。つるはカリブーの
アラスカの遮光器。彫刻された木(上、1880年から1890年)と、カリブーの角(下、1000年から1800年)製。

遮光器(しゃこうき)は、北極圏に暮らすエスキモー雪目を防ぐために伝統的に使用してきたゴーグル[1]

遮光器は伝統的に流木(特にトウヒ)、骨、セイウチカリブーなどで出来ている。着用者の顔に合うように彫られ、前面には細いスリットが水平に1本ほど刻まれている[2]。顔にぴったりとフィットしているため光が入るのはスリットを通してのみで、内側にはすすを塗ってまぶしさを軽減することもある[3][4]。スリットは、光の入射量を減らすためだけでなく、視力を向上させるためにも狭くなっている。スリットの幅が広いほど視野は広くなる。[1]

関連項目[編集]

  • 遮光器土偶 - 縄文時代につくられた土偶の一タイプ。目にあたる部分が遮光器のような形をしていることからこの名称がつけられたが、遮光器を付けた姿の表現ではなく、目の誇張表現と考えられている。

参考文献[編集]

  1. ^ a b Inuit Snow Goggles”. バンクーバー海洋博物館. 2021年2月11日閲覧。
  2. ^ Smithsonian Institution, St. Lawrence Island Yupik Snow Goggles
  3. ^ Snow goggles helped Arctic people survive” (2007年12月). 2021年2月11日閲覧。
  4. ^ Yup'ik Snow Goggles”. Smithsonian Institution. 2021年2月11日閲覧。