退職代行サービス

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退職代行サービス(たいしょくだいこうサービス)とは、依頼者の退職の意思を依頼者に代わって会社に伝え、退職を支援するサービスである。

概要[編集]

ブラック企業人手不足を背景に、会社を辞めたくてもやめられないという現代の労働者のニーズに応えることで2017年ごろから複数の業者インターネットで話題となり、2018年NHKクローズアップ現代で取り上げたことで急速に認知度が高まった。

名前のとおり、退職を代行するサービスではあるが、交渉は一切行わず、あくまでも退職連絡仲介のみを行うものがほとんどである。

交渉を行わない理由は弁護士法72条により、弁護士以外が法律事務を行うことは非弁行為に抵触する恐れがあるためである。

また、依頼者の退職の意思を代わりに会社に伝えること自体に法律事務に該当するのではないかという考えもあり、弁護士や労働組合以外が行う退職代行サービスは非弁行為ではないかという議論もある。

退職代行サービスは大きく弁護士、労働組合、それ以外が行うものの3つに分類される。

この3つは基本的に退職の意思を会社に伝えることに変わりはないが、弁護士や労働組合が行う退職代行サービスではこれとは別に会社との交渉が法律によって認められている。

会社と交渉できることによって、有給休暇消化の申請、退職金の支払い請求、未払い給与残業代の支払い請求、退職日の設定など行うことができる。

業務の流れ[編集]

業務の内容は業者ごとに異なるが、大きくは以下で示すとおりである。

  1. 電話、メール、LINEなどで業者と連絡を取り、退職したい旨や雇用形態などを伝える。
  2. 提示された退職代行費用を銀行振込またはクレジットカードなどで支払う。
  3. 業者が依頼者に代わって、退職の意思を伝える。
  4. 退職届を依頼者自身が作成、送付し、離職票などが会社から届き退職が完了する。

法律上の問題点[編集]

弁護士以外が行う退職代行サービスの依頼者の代わりに退職の意思を伝えるという業務が弁護士法72条(非弁活動)に違反するのではないかと問題視されている。(労働組合が行う退職代行サービスは日本国憲法第28条及び労働組合法によって団体交渉が保証されているので違法ではないと考えられている。)

退職代行サービスが行う退職の意思を依頼者に代わり会社に伝えるという行為が退職という法律上の効果を生むのではないかというのが争点である。(退職を法律上の効果と考えるかどうかについても議論あり)

しかし、退職代行サービスは依頼者と会社の仲介役、いわば完成された意思表示を伝える使者という認識であり、法律効果を発生させるのは依頼者と考えるのが普通である。

また、退職代行サービスでは、依頼者に退職届を書かせ郵送させるので、退職届が会社に届くことによって退職という法律効果が発生するという考え方もある。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]