諭旨解雇

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諭旨解雇(ゆしかいこ)は、日本において行われる労働契約の解除(退職)の一類型として行われる慣習である。また、諭旨免職、諭旨退職などとも称する。

概要[編集]

諭旨解雇は、「労働者が解雇に相当する重大な規則違反を犯した場合、懲戒解雇よりも温情的な措置として行われる退職手続き」であるが、適用される要件、手続き内容などは企業において全く異なる。後述のとおり、解雇に相当するか自己都合退職に相当するかすら一定しないため、法律上の位置づけは一律に判断できない。

就業規則上の制裁規定に明記されている場合も多いが、もともと慣習としての用語であるため、就業規則に記載がなくても使用されることもある。

適用される要件としては、「労働者が規則違反について反省の意を示し、退職を甘受する意向を示している。」「規則違反の内容が、解雇相当となる事由の中では軽微なものに属する。」といった場合が主である。就業規則に適用要件が定められている場合もあるが、パターナリズムに基づく慣習であるため、個々の事例に応じて恣意的な温情措置として決定される場合も少なくない。

手続きは、普通解雇として行われることもあるが、「反省した労働者が自ら退職を願い出た」として自己都合退職の形式を取ることも少なくない。一般に諭旨解雇は、会社側と労働者の合意に基づきあいまいな手続きのもとに行われ、表面上は会社側が解雇処分をしたものとして内外に発表されても、雇用保険被保険者離職票などには自己都合退職と記載されていることもしばしばである。

労働者の処遇としては、退職金が支給されるなど、懲戒解雇より多少労働者に有利な条件になることがある。ただし、具体的な退職条件というよりは、「労働者の意に背いた一方的な懲戒解雇ではなく、話し合いと了承のもとに退職できる(させられる)」という心情的なメリットが大きい。

関連項目[編集]