試金石

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Jump to navigation Jump to search
試金石と検査セット

試金石(しきんせき)とは、の品質を計るために用いられる主に黒色の石英質の鉱石を言う。一般的には、緻密な粘板岩であり碁石などの材料として用いられる那智黒石が使用される[1]

使用方法[編集]

試験標本と、金品位が既知である手札金・手本金という金純度が異なる指標となる金の棒を数本石の上にこすり線を描く。その線の色を比較する事で純度を測る。さらに詳細に測るために微量の濃硝酸条痕を洗い、残り具合を見て判断することもある。

熟練者であれば%(パーセント)オーダーの品位を鑑定することが充分可能である。江戸時代金座鑑定を担当した役方(やくがた)による鑑定品位は、その後の近代的化学分析による分析値とほとんど一致している[2]

金自体は、王水と呼ばれる硝酸と塩酸の混合物でのみ常温で溶解し、単独の酸には溶解しない。一方、銀および銅など他の不純物の場合濃硝酸で溶ける。このことから、その残滓から指標と見比べることで容易となる。

このため、微少な標本を用いるが簡易かつ簡便に行えるため、21世紀の現在でも純度測定の簡易試験として用いられることがある。

歴史[編集]

用例としての「試金石」[編集]

この簡便ながらもある程度確実に試験素材の品質が分かる事から、転じて実験的・試験的な要素がうまく行くかどうかを見極めるために行う事柄を「試金石」と呼ぶ。また、物事を判断する基準(指標)の意味で用いられることもある。

なお、同例としては、リトマス試験紙バロメーターなどがある。

脚注[編集]

[ヘルプ]

参考文献[編集]

  • 木下亀城、小川留太郎 『標準原色図鑑全集 岩石鉱物』 保育社、1967年1月ISBN 4586320060
  • 三上隆三 『江戸の貨幣物語』 東洋経済新報社、1996年3月ISBN 449237082X