解約率

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解約率チャーンレート (: churn rate) は、特定の期間に集合から移動する個人や項目の数の尺度である。これは、企業における顧客の定常状態レベルを決定する2つの主要要因の1つである。人事などでは離職率と呼ばれることもある

この用語は多くの文脈で使用されるが、顧客契約ベースのビジネス、たとえば携帯電話ネットワークや有料テレビ事業者などの加入者ベースのサービスモデルを持つビジネスで最も広く使用される。この用語は、ピアツーピアネットワークでの参加者の離反を指すためにも使用される。解約率は、顧客生涯価値モデルや、マーケティングミックスモデルでマーケティング投資回収率を測定するシミュレーターに活用する[1]

定義[編集]

解約率は、顧客ベースに適用される場合、特定の期間中にサプライヤーを離れる契約顧客または加入者の割合を指す。これは、顧客の不満、競合他社からのより安価および/またはより良いオファー、競合他社によるより成功した販売および/またはマーケティング、または顧客のライフサイクルに関係する理由の可能性のある指標である。

チャーン (解約)は、平均的な顧客寿命の概念と密接に関連している。たとえば、年間解約率が25%の場合、平均顧客寿命は4年である。年間解約率33%は、平均顧客寿命が3年であることを意味する。解約率は、顧客がサプライヤーを変更することを思いとどまらせる障壁を作ることで(契約上の拘束期間、独自の技術の使用、付加価値サービス、独自のビジネスモデルなど)、またはロイヤルティプログラムなどの保持活動を通じて最小限に抑えることができる。消費者がサービスを中止した後、同じ年内にサービスを再開した場合は、解約率が大きく見える可能性がある。したがって、絶対的な解約総数である "グロスチャーン" と、契約者総数の減少である "ネットチャーン" を明確に区別する必要がある。 2つのチャーンの違いは、同じ期間に参加した新規加入者数を入れるかどうかであり、ネットチャーンはグロスチャーンから新規顧客契約率を引いたものとなる。

サプライヤーが、ロスリーダーとなる「開始時特別オファー」を提供すると、加入者が繰り返し加入と解約を繰り返して特別オファーを何回も使おうとするため、解約率が高くなる。"回転チャーン" という用語は、顧客が解約直後、すぐに新規契約することを指す。これはプリペイド携帯電話サービスで一般的であり、既存顧客は、新しい顧客だけが利用できる特別オファーを利用するために、現在のプロバイダーから新規のサブスクリプションを取得する。

加入者や顧客の文脈における生存率は、1から解約率を引いたものである。たとえば、25%の年間解約率は75%の年間生存率と同じとなる。どちらも、顧客寿命が4年であることを意味します。つまり、顧客寿命は、その顧客の(予測)解約率の逆数として計算できる。したがって、顧客寿命の分布のゴンペルツ分布モデルは、解約率の分布も予測できる。

顧客ベースが急成長している企業(たとえば、 BCGマトリックス問題の子供またはスターフェーズのデジタルメディア企業)の場合、解約率の統計分析で混乱が生じる可能性がある。新規顧客獲得が大きい場合は、顧客ベース全体で見た解約率は、本来の解約率よりも低めに見積もられる可能性がある。


ほとんどの場合、解約は、顧客がサービスに不満を持っていることを示していると見なされる。ただし、サービスが約束を果たす一部の業界 (ヘルスケアサービス、減量サービス、オンラインデートプラットフォームなど) では、解約は前向きなシグナルと見なされる[2]

レベニューチャーンレート[編集]

レベニューチャーンレート (収益を基準とした解約率) は、期間中に失われた経常収益の金額を、期間の開始時の総収益で割ったものであり、収益ベースで算出するチャーンレートである。収益チャーンは、 Software as a Service(SaaS)や、定期的な収益モデルに依存するその他のビジネスモデルで一般的に使用される。

チャーンに伴う減少収益を、既存顧客へのエクスパンション/アップセル/クロスセルに伴う増加収益が上回った場合に、レベニューチャーンレートがマイナスになる状況 (ネガティブチャーン)になることもある[3]

関連項目[編集]

脚注[編集]

  1. ^ “Customer Churn Rate: Definition, Measuring Churn and Increasing Revenue” (英語). ReSci. (2014年10月30日). https://www.retentionscience.com/why-measuring-your-customer-churn-rate-increases-revenue/ 2017年6月8日閲覧。 
  2. ^ Dechant, Andrea; Spann, Martin; Becker, Jan U. (27 August 2018). “Positive Customer Churn”. Journal of Service Research: 109467051879505. doi:10.1177/1094670518795054. 
  3. ^ “ネガティブチャーンへ続く道” (日本語). https://www.forentrepreneurs.com/ja/why-churn-is-critical-in-saas/ 2020年12月21日閲覧。 

参考文献[編集]