血管筋脂肪腫

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血管筋脂肪腫(AML)
CTスキャン画像にみられる両方の腎臓にできた血管筋脂肪腫(矢印)。腫瘍は脂肪含有量により低密度(暗色)である。
概要
診療科 腎臓学
症状 無症状、血尿、痛み[1]
発症時期 20~50歳[2]
原因 結節性硬化症(TSC), リンパ脈管筋腫症(LAM), 自然発生[1]
診断法 CTスキャンまたはMRI[2]
鑑別 腎細胞癌[2]
合併症 出血性ショック腎不全[3][2]
治療 監視、外科的除去、塞栓術アブレーション[2]
頻度 まれ[2]
分類および外部参照情報

血管筋脂肪腫(けっかんきんしぼうしゅ、Angiomyolipoma、AML)は、脂肪血管筋組織にできる良性腫瘍であり、一般的に腎臓にみられる[1][3]。症状を引き起こすことはほとんどないが、まれに尿に血が混じったり、痛みが生じるほどの大きさになることがある[1][2]。合併症には、出血性ショック腎不全などがあげられる[3][2]。時に、肝臓などの他の臓器に影響を及ぼすことがある[3]

血管筋脂肪種は、最大90%の結節性硬化症(TSC)の症例と50%のリンパ脈管筋腫症(LAM)の症例のに発生する[1][2]。TSCの患者の場合、複数の病変が存在することがよくある[2]。自然的に発生することもある[2]。通常の診断はCTスキャンまたはMRIが使用される[2]

症状を引き起こさない小さな血管筋脂肪腫は、簡単な監視がされる場合がほとんどである[2]。より大きな血管筋脂肪種または症状がある場合は、外科的除去、塞栓術、またはアブレーションによって治療される[2]。TSCまたはLAMが原因の場合、治療の選択肢の1つとしてmTOR阻害剤が使用される[2]。透析や腎移植が必要になる場合もある[3]。血管筋脂肪種はまれな疾患である[2]。女性は男性よりも一般的に影響を受ける[2]。一般に20歳から50歳の間に発症する[2]。血管筋脂肪種が最初に説明されたのは1900年である[2]

出典[編集]

  1. ^ a b c d e NCI Search Results - National Cancer Institute” (英語). www.cancer.gov (2011年2月2日). 2021年8月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年1月26日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s Flum, AS; Hamoui, N; Said, MA; Yang, XJ; Casalino, DD; McGuire, BB; Perry, KT; Nadler, RB (April 2016). “Update on the Diagnosis and Management of Renal Angiomyolipoma.”. The Journal of urology 195 (4 Pt 1): 834-46. doi:10.1016/j.juro.2015.07.126. PMID 26612197. 
  3. ^ a b c d e Northrup, H; Krueger, DA (2013). “International Tuberous Sclerosis Complex Consensus Group. Tuberous sclerosis complex diagnostic criteria update: recommendations of the 2012 International Tuberous Sclerosis Complex Consensus Conference”. Pediatr Neurol 49 (4): 243–254. doi:10.1016/j.pediatrneurol.2013.08.001. PMC 4080684. PMID 24053982. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4080684/. 

外部リンク[編集]

分類
外部リソース(外部リンクは英語)