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菱川師寿

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菱川 師寿(ひしかわ もろひさ、生年不明 - 明和2年10月12日1765年11月24日〉)とは、江戸時代職人絵師

来歴[編集]

菱川師宣の曽孫。山東京伝編『捜奇録』所収の「菱川師宣家譜」によれば師寿は通称佐次兵衛、安房国保田に住み「家業紺屋、書画共に致候得共、画より書よろし」とあり、家業の紺屋の傍ら絵や書を手がけていたことが窺えるが、師寿が誰から絵や書を習ったのかは明らかではない。「菱川師宣家譜」は保田在住の医師渋谷玄竜が京伝の求めに応じて記し、享和2年(1802年)京伝に送ったもので、玄竜は師寿の甥に当たる。『浮世絵事典(定本)』は師寿の作として、「享保時代の肉筆美人画がある」と記すが不明。ほかに師寿の自筆として知られるのは、宝暦11年(1761年)9月に筆写した『大工故事』一巻と、存林寺に伝わる菱川家の位牌の文字だけである。法名は寿山寛齢信士。

参考文献[編集]

  • 山東京伝編 『捜奇録』〈『四大奇書 集古随筆』〉 魁真楼、1899年 ※国立国会図書館デジタルコレクションに本文あり[1]
  • 吉田暎二編 『浮世絵事典(定本)』(下巻) 画文堂、1974年 ※347頁
  • 楢崎宗重監修 『肉筆浮世絵第二巻 師宣』 集英社、1982年 ※「菱川家系譜」(川崎芳郎、141頁)
  • 鋸南町史編纂委員会編 『鋸南町史』 国書刊行会、1983年(復刻版) ※920 - 921頁。原著は昭和44年(1969年)刊行。

関連項目[編集]