菩提泉

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菩提泉(ぼだいせん)とは、平安時代中期から室町時代末期にかけて、もっとも上質で高級であったとされる銘柄名。

奈良菩提山(ぼだいせん)正暦寺(しょうりゃくじ)で、境内を流れる菩提仙川の水と、菩提酛という酒母・製法を用いて造られた僧坊酒で、南都諸白に属する。

中世前半までの日本酒は濁り酒のみであった。室町時代の酒造技術書『御酒之日記』の記述から、正暦寺では15世紀初めに清酒が作られ、これを日本最古の清酒とする説がある。正暦寺から分けられた酒母は「菩提酛(もと)」と呼ばれた。明治時代まで奈良県の酒蔵で使われたが、政府が酒造方法に関する規制を強めため消失した。

1986年、奈良県の酒蔵15社と正暦寺、奈良県工業技術センター、大学などが「奈良県菩提酛による清酒製造研究会」を設立。菩提山の湧き水から酒造に適した乳酸菌を発見した。これを「菩提酛」とみなして1999年に寺内での酒造を復活させるとともに、「日本清酒発祥之地」と刻んだ記念碑を建てた。その後、研究会に参加した各酒蔵もこの「菩提酛」による酒造りを行っている[1]

室町時代初期、南北朝時代に最盛期を迎え、やがて戦国時代以降、寺院勢力のそぎ落としを狙う支配者たちの政策のもとに衰えていったが、この酒の味を引き継ごうと志す奈良流の造り酒屋は多かった。

出典[編集]