菊水の滝 (愛知県)

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菊水の滝
尾張名所図会に描かれた菊水の滝。小田切春江作。
所在地 愛知県日進市
落差 12 m
水系 天白川水系菊水川
プロジェクト 地形
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菊水の滝(きくすいのたき)は、愛知県日進市にある天白川水系に属する六坊の滝とも呼ばれる[1]

概要[編集]

県道57号線の脇にある菊水公園の付近、御岳山(六坊山)のふもと(日進市竹の山[2])に存在し、雄瀧(落差12m)と雌瀧(落差3m)[3]の2つの滝で構成される[4]。雄瀧の水源は三ツ池、雌瀧の水源は弁天池[5]である[6]

かつては岩崎滝(いわさきのたき)と呼ばれ、御岳山信仰の信者の人々が、この滝に打たれ身を清めてから山に登っていた[4]ことから修行場として知られていた[1]。『尾張名所図会』でも紹介されており、[7]、「竹の山の西南、六坊山のふもとにあり。高さ六丈余。夏日霖雨の節ハ飛流十倍して実に人の耳目を驚かす」とある。『長久手安見之図』などの古戦場巡りの絵図にも描かれた[8]

この滝の石は珪岩でできており、岩崎村の村人はこの石を用いて刃物を研いでいた。

泥棒がこの滝の石で刃物を研いでいたところ、村人に見つかり取り押さえられたという逸話が存在する[9]

現在でも名所となっており[6]、日進市の和菓子屋である『槌屋製菓舗』では、『日進三彩水羊羹 菊水の滝』という、この滝をモチーフにした和菓子が販売されている[10]

地理[編集]

河川[編集]

菊水川
水系 二級水系 天白川
種別 普通河川
水源 愛知県日進市
河口・合流先 岩崎川(愛知県日進市)
流域 日本の旗 日本 愛知県日進市
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滝は菊水川[11][12]の上流部に存在する。

岩崎川支川の普通河川[13]。御岳山付近に源を発し、竹田川とともに岩崎橋付近で岩崎川に合流[11]、岩崎川はその後、天白川と合流して伊勢湾に流れる。

菊水の滝付近を除く上流は暗渠化されており、暗渠部分は遊歩道として整備されている[12]

『長久手安見之図』ではその姿が描かれている[8]

周辺施設[編集]

御岳山の北には不動の滝と呼ばれる水のない滝も存在する[14]

脚注[編集]

  1. ^ a b 『古地図で楽しむ尾張』風媒社、2017年1月20日、37頁。 
  2. ^ シティプロモーション動画 名所・スポット30選(6分~最後)|日進市”. www.city.nisshin.lg.jp. 2023年11月22日閲覧。
  3. ^ 菊水の滝 | 滝ペディア~日本の滝をめぐる~”. www.takipedia.com. 2023年11月4日閲覧。
  4. ^ a b にっしん市にはこんなばしょがあるよ!|にっしん市 キッズページ”. www.city.nisshin.lg.jp. 2023年11月4日閲覧。
  5. ^ かつては底が見えるほど水が澄んでおり、この風景を写生するために来る人も少なくなかった。
  6. ^ a b 「菊水の滝とどろぼう」 物語をさがして vol.02|みたすくらす #東海の地産情報を地元クリエイターがお届け!”. みたすくらす #東海の地産情報を地元クリエイターがお届け! (2022年2月19日). 2023年11月4日閲覧。
  7. ^ 国立国会図書館デジタルコレクション”. dl.ndl.go.jp. 2023年11月4日閲覧。
  8. ^ a b 長久手安見之図転写本”. 西尾市岩瀬文庫. 2024年1月5日閲覧。
  9. ^ 『岩崎誌』日進町、1985年。 
  10. ^ 日進セレクト|日進市商工会 [TOPページ]”. www.nissin-sci.com. 2023年11月22日閲覧。
  11. ^ a b 天白川で遊ぼうマップ”. 日進市. 2023年11月4日閲覧。
  12. ^ a b 岩崎川堤防道路基本構想 概要版”. 日進市. 2023年11月22日閲覧。
  13. ^ 日進市 庭木 剪定 植木 剪定 伐採 植木屋 お庭業者”. 生活救急車. 2023年12月17日閲覧。
  14. ^ 『日進市の滝~菊水の滝』”. 滝を探して・・・. 2023年11月22日閲覧。