航空バイオ燃料

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航空バイオ燃料タンク

航空バイオ燃料(こうくうバイオねんりょう)、バイオジェット燃料、またはバイオ航空燃料 (BAF: Bio-Aviation Fuel) とは、航空機を起動するために使われるバイオ燃料で、持続可能な航空燃料(SAF: Sustainable Aviation Fuel) とも呼ばれる。国際航空運送協会(IATA)は、航空による環境への影響の中で二酸化炭素排出量削減のための重要な要素の1つであると考える。[1]  航空バイオ燃料は、二酸化炭素排出の大半の原因である中/長距離離飛行の脱炭素化に役立つ可能性がある。また、二酸化炭素排出量が減らせるため、古い航空機でも長く使うことが可能になる。

バイオ燃料とは、植物や廃棄物等のバイオマス由来の燃料である。使用されるバイオマスの種類にもよるが、従来のジェット燃料と比較して、二酸化炭素排出量を20〜98%削減できる。[2] 2008年に混合バイオ燃料を使用した最初の試験飛行が行われた。2011年にはバイオ燃料を含む混合燃料が商用飛行では50%まで許可された。 2019年現在、IATAは2025年までに持続可能な航空バイオ燃料 (SAF) の普及率2%を目指している。

航空バイオ燃料は、ジャトロファ (Jatropha)、藻類獣脂廃油パーム油ババスカメリナ(bio-SPK)等の植物源から造られたり、フィッシャー・トロプシュ法(FT-SPK)での熱分解による固体バイオマスからも、また Alcohol-To-Jet (ATJ:アルコールからジェットへ) と呼ばれる製法(廃棄物の発酵時に生じたアルコールを使用)でも造られる。[3] 太陽熱装置による合成生物学からも造ることができる。

持続可能な航空燃料 (SAF) は、食糧、農作物、農地、自然林、天然水と競合することがなく共存でき、合成燃料 (e-fuel) の代替にもなる。[4] これは第三者機関によって認定される。

脚注[編集]

関連項目[編集]