硫化スカンジウム(III)
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硫化スカンジウム(III) | |
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別称 scandium sesquisulfide | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 12166-29-9 |
PubChem | 166646 |
ChemSpider | 145824 |
EC番号 | 235-320-1 |
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特性 | |
化学式 | Sc2S3 |
モル質量 | 186.11 g/mol |
外観 | 黄色結晶 |
密度 | 2.91 g/cm3(固体) |
融点 |
1775 °C, 2048 K, 3227 °F |
構造 | |
結晶構造 | 斜方晶 |
関連する物質 | |
その他の陰イオン | 酸化スカンジウム |
その他の陽イオン | 硫化イットリウム(III) |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
硫化スカンジウム(III)(Scandium(III) sulfide)は、スカンジウムと硫黄からなる化合物で、化学式はSc2S3である。黄色い固体である。
構造
[編集]結晶構造は、塩化スカンジウムとよく似ており、アニオンが同一球の最密充填の状態に配列している。塩化ナトリウムでは、アニオン格子の八面体の全ての隙間にカチオンがあるが、硫化スカンジウムの場合、その3分の1は空である。空の位置は非常に複雑なパターンで並んでおり、空間群Fdddの大きな斜方晶型の単位胞となっている[1]。
合成
[編集]金属硫化物は、2つの元素の混合物を加熱することで合成されるが、スカンジウムの場合、この方法では一硫化物である一硫化スカンジウムが生じてしまう。硫化スカンジウム(III)は、グラファイトのるつぼ内で硫化水素を流しながら、1550℃以上で2-3時間加熱することにより合成できる。粗生成物は、輸送剤としてヨウ素を用いて、950℃で化学蒸気輸送を行うことにより精製できる[1]。
- Sc2O3 + 3H2S → Sc2S3 + 3H2O
徐々に温度を上げながら乾燥硫化水素と塩化スカンジウム(III)を反応させることでも得られる[2]。
- 2 ScCl3 + 3 H2S → Sc2S3 + 6 HCl
反応
[編集]1100℃以上で硫黄を失い、Sc1.37S2等の不定比化合物を生じる[1]。
出典
[編集]- ^ a b c Dismukes, J. P.; White, J. G. (1964). “The Preparation, Properties, and Crystal Structures of Some Scandium Sulfides in the Range Sc2S3-ScS”. Inorg. Chem. 3 (9): 1220–1228. doi:10.1021/ic50019a004.
- ^ Klemm, W.; Meisel, K.; v. Vogel, H. U. (1930). “Über die Sulfide der seltenen Erden (Sulfides of the rare earths)”. Zeitschrift fuer Anorganische und Allgemeine Chemie 190: 123–144. doi:10.1002/zaac.19301900113.