真紅の輪

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真紅の輪
The Crimson Circle
著者 エドガー・ウォーレス
発行日 1922年
ジャンル 推理小説
イギリスの旗 イギリス
言語 英語
形態 著作物
ウィキポータル 文学
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真紅の輪』(しんくのわ、The Crimson Circle )は、1922年に発表されたエドガー・ウォーレスの長編推理小説。 謎の秘密結社「真紅の輪(クリムゾン・サークル)」とロンドン警視庁との対決の描いた犯罪小説(スリラー)である。

あらすじ[編集]

ジェイムズ・ビアードモアは「真紅の輪」を名乗る謎の結社から10万ポンド払えという脅迫文を受け取る。超能力者イエールとパー警部がタッグを組み正体不明の犯罪結社に挑む。

主な登場人物[編集]

  • ジェイムズ・ビアードモア - 「真紅の輪(クリムゾン・サークル)」に脅迫されている実業家。息子ジャックの忠告を無視し、支払を拒絶する。
  • ジャック(ジョン) - ジェイムズの息子で父親と同居している青年。隣のフロイアント家で働くタリアに恋している。
  • ハーヴェイ・フロイアント - ビアードモアの隣人で仕事仲間の実業家。タリアを秘書として雇い、こき使っている。
  • タリア・ドラモント - フロイアントの秘書を務める女性。実はコソ泥で、逮捕された後に安宿の女主人から契約解除を申し渡される。
  • ブラバゾン頭取 - 銀行家。安宿を追い出されたタリアを雇用する。
  • フィリックス・マール - 投資家。エナメルのロングブーツを履いて着飾り、召使付きの邸宅に住む富豪。ビアードモア家を不動産取引のため訪問する。
  • デリク・イエール - 超能力(サイコメトリー能力)を持つと噂の私立探偵。ビアードモア父子の家に滞在中。
  • パー警部 - ロンドン警視庁の刑事。イエール探偵とコンビを組み「真紅の輪」の捜査をするが、結果が出ずマスコミや上司に叩かれている。
  • モートン警視総監 -ロンドン警視庁の総監で、「真紅の輪」の尻尾を掴めないパー警部を叱責する。

内容[編集]

  • ウォーレスの人気作の一つでThe People's Story Magazineに連載された[1]。何度も映画化されたスリラー作品で、ドイツでも舞台と人物を自国に翻案した映画が制作されている[2]
  • 戦前に翻訳本が無く、21世紀になって和訳が出たウォーレスの最初の長編である[3]

日本語訳書[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 英国版の単行本はHodder & Stoughton社 から、アメリカ版はDoubleday, Doran & Co.社から発行された。
  2. ^ A 1960 German film Der rote Kreis
  3. ^ 連作短編集Four Square Janeも戦前に和訳がないが、第3章のみ「犯罪の中のレディたち/下」(エラリー・クイーン編)として1979年に東京創元社から出版されている