生成 (数学)

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数学における生成(せいせい、generate)とは、与えられた対象と条件に対して、その条件を満たし与えられた対象を全て含むような最小の構成物を求めることである。生成に使われる与えられた対象のことを生成系という。また、ある種の生成された構成物はしばしば閉包(へいほう、closure)と呼ばれる(—閉包、—包のように接尾辞として用いられることもある)。

生成系に対して、与えられた条件を満たすために必要十分な操作が知られているならば、生成とは、生成系にその操作を繰り返し行う手続きの極限であると理解される。

生成系は特にそれが極小であるとき、しばしばあるいは基底とよばれる。

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  • 幾何学において、ある集合のいくつかの部分集合が与えられているとき、与えられた部分集合族を含む最小の開集合系を与えられた部分集合族を開基とする開集合系と言う。また、この開集合系を与えることにより与えられた集合を位相空間と見たとき、その位相空間の位相を与えられた部分集合族の生成する位相という。これは与えられた部分集合族に (i)空集合・全体集合を加えること (ii)有限個の共通部分をとること (iii)和集合をとること(無限個でもよい)という操作を繰り返し行うことにより得られる集合族を求める操作である。
  • 線型代数学において、いくつかのベクトルが与えられているとき、それらのベクトルを全て含む最小のベクトル空間を、与えられたベクトルが生成するベクトル空間という。これは、(i)与えられたベクトルたちの和をとる (ii)与えられたベクトルをスカラー倍する という二つの操作を繰り返し行うことにより得られる。
  • 代数学において、あるが与えられているとき、その代数拡大であってそれ自身代数閉体であるものを代数閉包(だいすうへいほう、algebraic closure)という
  • 幾何学においてある図形が与えられているとき、「その図形を含む」という条件を満たす最小の閉集合を、与えられた図形の閉包という。これは、与えられた図形を含む閉集合の全体からなる集合族に共通部分をとる(必ずしも有限個の集合の共通部分であることを課さない)という操作のみを条件として与えるとき、この閉集合族の生成する図形であると見ることもできる。
  • 幾何学においてある図形が与えられているとき、その図形を含む最小の凸集合凸包(とつほう、convex hull)という。これも閉包と同様に、その図形を含む全ての凸集合に対して共通部分をとる操作で得られる図形とみることができる。