「システムエンジニア」の版間の差分

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'''システムエンジニア'''(Systems Engineer:SE)は、大雑把に[[情報システム]]関連の一連の業務に携わる従事者を指す用語である。
'''システムエンジニア'''は、大雑把に[[情報システム]]関連の業務に従事する者を指す用語である。


== 概要 ==
== 概要 ==
日本の情報システム会社で通常、コンピューターシステムやコンピューターソフトウェアの企画や設計・開発、保守・運用等にる技術者という意味で使用されている<ref>[http://kotobank.jp/word/%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2?dic=daijisen&oid=08015700 デジタル大辞林]</ref>。企業によっては[[情報システム]]領域における[[コンサルタント]]、[[アーキテクト]]、[[プロジェクトマネージャ]]や、「[[プラットフォーム]]」「[[ネットワーク]]」「[[データベース]]」「[[アプリケーション共通基盤]]」「[[システム管理]]」「[[情報セキュリティ]]」等の分野の人々をシステムエンジニアに含めることもある<ref name ="20dai">[https://books.google.co.jp/books?id=g7_YBZBpVjAC&pg=PA60#v=onepage&q&f=false 「SEが20代で身につけておきたいこと」(技術評論社/googleブックレビューP60)]</ref><ref name="karyuu">[http://el.jibun.atmarkit.co.jp/karyu/2008/10/sepg2-0e2d.html エンジニアライフ「下流から見たIT業界」(atmarkIT)]</ref>一方で、実装中心の「[[プログラマ]]」や操作中心の「オペレー」等の分野の人々をシステムエジニアと区別することもある
システムエンジニアの職域に関する明確な定義存在しないが日本の企業では慣習的にコンピューターシステムやネットワーク・データの情報システムりながら以下のような業務を行うを指すこが多い<ref>[http://kotobank.jp/word/%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%B8%E3%83%8B%E3%82%A2?dic=daijisen&oid=08015700 デジタル大辞林]</ref><ref name ="20dai">[https://books.google.co.jp/books?id=g7_YBZBpVjAC&pg=PA60#v=onepage&q&f=false 「SEが20代で身につけておきたいこと」(技術評論社/googleブックレビューP60)]</ref><ref name="karyuu">[http://el.jibun.atmarkit.co.jp/karyu/2008/10/sepg2-0e2d.html エンジニアライフ「下流から見たIT業界」(atmarkIT)]</ref><ref>[http://next.rikunabi.com/tech/docs/ct_s03600.jsp?p=001186 SEからコンサルタントに(Tech総研)]</ref>
* 企画
* 設計
* 開発
* 評価
* プロジェクトマネジメント
* コンサル
* 工事
* 保守
* 運用


実際には上記の複数を兼任する場合、上記のずれかは含まないような場合もあるが、その範囲は企業や団体によってまちまちであるため、上記以外にも使用例として様々な用法があると推察されるが、[[情報システム]]関連の業務に携わる者が大雑把にシステムエンジニアと呼ばれる傾向がある<ref name="20dai"/>。
クライアントに出向いて要望を聞き取り、希望するシステムを具体化する業務に従事する者を含めることもあり、このような業種を特に「ITコンサルタント」と呼称することもあるが稀であり余り広がっていない<ref>[http://next.rikunabi.com/tech/docs/ct_s03600.jsp?p=001186 SEからコンサルタントに(Tech総研)]</ref>。

システムあるいはハードウェアの配置・工事・修理を行う技術者をシステムエンジニアと呼ぶ例や{{要出典|date=2015年3月}}、単にシステムに精通した者という意味で使われることもある{{要出典|date=2015年3月}}。

実際には上記の複数、または全てを兼任する場合があるがシステムエンジニアという言葉の意味の明確定義は存在せず、その職務範囲は企業や団体によってまちまちである。そのため、上記以外にも使用例として様々な用法があると推察されるが、[[情報システム]]関連の一連の業務に携わる者が大雑把にシステムエンジニアと呼ばれる傾向がある<ref name="20dai"/>。


== システム工学との無関係性 ==
== システム工学との無関係性 ==
本来の「[[システム]]」という用語は学問的には'''「[[相互に影響を及ぼしあう要素]]から構成される、まとまりや仕組みの全体」'''、工業的には'''「所定の任務を達成するために、選定され、配列され、互いに連係して動作する一連のアイテム(ハードウェア、ソフトウェア、人間要素)の組合せ」'''<ref>JIS Z 8115</ref>と定義されており、様々な分野で使われる用語だが、「システムエンジニアが対象とする「システム」はもっぱら[[情報システム]]であって、かつ表面的な動作のみである。
「[[システム]]」という用語は学問的には「{{Underline|[[相互に影響を及ぼしあう要素]]から構成される、まとまりや仕組みの全体}}」、工業的には「{{Underline|所定の任務を達成するために、選定され、配列され、互いに連係して動作する一連のアイテム(ハードウェア、ソフトウェア、人間要素)の組合せ}}」<ref>JIS Z 8115</ref>と定義されており、様々な分野で使われる用語だが、「'''システムエンジニアが対象とするステム'''」はもっぱら[[情報システム]]であって、かつ表面的な動作のみである。

また、用語として対応しそうな[[学問の一覧|学問領域・工学領域]]の「システムズ・エンジニアリング([[システム工学]])」とは全く関係性がない。


「システムエンジニア」という用語自体日本に限定された和製英語と考えられ、国際的には一般に通じない。英語圏にシステムズ・エンジニア<ref>{{Cite web |url = http://money.cnn.com/magazines/moneymag/bestjobs/2009/ |title = Best Jobs 2009 - Salary and Job Market Information - from Money Magazine |accessdate = 2010-05-22}}{{リンク切れ|date=2018-1}}</ref>と呼ばれる職務があるものの、これは文字通りシステムズ・エンジニアリング([[システム工学]])にかかわる技術者を指すものであり、日本のシステムエンジニアとは重ならない{{要出典|date=2015年3月}}。英語圏おい似たような職種を指す表現として、ソフトウェアエンジニア、ソフトウェア開発者、プログラマー、ハードウェア技術者挙げられる。
[[学問の一覧|学問領域・工学領域]]に[[システム工学|システムズ・エンジニアリング]]」というよく似た用語があるが関係性はない。英語圏にシステム''''''・エンジニア」と呼ばれる職域があるが、これは文字通りシステムズ・エンジニアリングに関わる技術者を指すものであり、日本のシステムエンジニアとは重ならない<ref>{{Cite web |url = http://money.cnn.com/magazines/moneymag/bestjobs/2009/ |title = Best Jobs 2009 - Salary and Job Market Information - from Money Magazine |accessdate = 2010-05-22}}{{リンク切れ|date=2018-1}}</ref>システムエンジニアという用語自体が和製英語であり、日本で慣習的使われいるような用法海外では基本的に通じいので注意必要である。


== 略称 ==
== ソフトウェアエンジニアとの関係 ==
[[経済産業省]]の統計では「ソフトウェア業務従事者」の分類として、「システムエンジニア」や「プログラマ」等を使用している<ref>[http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/tokusabizi/result-2/h18/pdf/h18-t-all.pdf 平成18年特定サービス産業実態調査 - 通商産業省]</ref>た、コンピュータ学会[[Association for Computing Machinery]](ACM)がまとめている「コンピュータに関する学位とキャリアについての報告」において「SE」とされているのはSoftware Engineeringであ<ref>http://computingcareers.acm.org/?page_id=12</ref>、[[文部科学省|文科省]]と[[国立情報学研究所]]によって進められている技術者教育プログラム「トップエスイー」の「SEはSoftware Engineers<ref>http://www.topse.jp/ のロゴを参照</ref>の略されて
や職を指す際にシステムエンジニアの略称として'''SE(エスイー)'''が使われることが多い。ただし、コンピュータ学会[[Association for Computing Machinery]](ACM)がまとめている「コンピュータに関する学位とキャリアについての報告」において「SE」は「[[ソフトウェア開発者|ソフトウェアエンジニア]]」の略称して定義されて、また、[[文部科学省|文科省]]と[[国立情報学研究所]]進めている技術者教育プログラム「トップエスイー」の「エスイーも同様にソフトウェアエンジニアの略である<ref>http://computingcareers.acm.org/?page_id=12</ref>等、行政や学界におけるSEはソフトウェア開発者を指すこが多い。


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==

2018年9月2日 (日) 13:34時点における版

システムエンジニアは、大雑把に情報システム関連の業務に従事する者を指す用語である。

概要

システムエンジニアの職域に関する明確な定義は存在しないが、日本の企業では慣習的にコンピューターシステムやネットワーク・データベース等の情報システムに関わりながら以下のような業務を行う者を指すことが多い[1][2][3][4]

  • 企画
  • 設計
  • 開発
  • 評価
  • プロジェクトマネジメント
  • コンサル
  • 工事
  • 保守
  • 運用

実際には上記の複数を兼任する場合、上記のいずれかは含まないような場合もあるが、その範囲は企業や団体によってまちまちであるため、上記以外にも使用例として様々な用法があると推察されるが、情報システム関連の業務に携わる者が大雑把にシステムエンジニアと呼ばれる傾向がある[2]

システム工学との無関係性

システム」という用語は学問的には「相互に影響を及ぼしあう要素から構成される、まとまりや仕組みの全体」、工業的には「所定の任務を達成するために、選定され、配列され、互いに連係して動作する一連のアイテム(ハードウェア、ソフトウェア、人間要素)の組合せ[5]と定義されており、様々な分野で使われる用語だが、「システムエンジニアが対象とするステム」はもっぱら情報システムであって、かつ表面的な動作のみである。

学問領域・工学領域に「システムズ・エンジニアリング」というよく似た用語があるが、特に関係性はない。英語圏に「システム・エンジニア」と呼ばれる職域があるが、これは文字通りシステムズ・エンジニアリングに関わる技術者を指すものであり、日本のシステムエンジニアとは重ならない[6]。システムエンジニアという用語自体が和製英語であり、日本で慣習的に使われているような用法は海外では基本的に通じないので注意が必要である。

略称

企業や職務を指す際にシステムエンジニアの略称としてSE(エスイー)が使われることが多い。ただし、コンピュータ学会のAssociation for Computing Machinery(ACM)がまとめている「コンピュータに関する学位とキャリアについての報告」において「SE」は「ソフトウェアエンジニア」の略称として定義されており、また、文科省国立情報学研究所が進めている技術者教育プログラム「トップエスイー」の「エスイー」も同様にソフトウェアエンジニアの略である[7]等、行政や学界におけるSEはソフトウェア開発者を指すことが多い。

関連項目

脚注