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2010年6月1日 (火) 12:59時点における版
メスティーソ (スペイン語:Mestizo、ポルトガル語:Mestiço) とは、白人とラテンアメリカの先住民(インディオ)の混血である人々。ポルトガル語ではメスチッソ、またスペイン語はメスティソ、メスチーソ、メスチソなどとも書く。Mestiçagemなど原語では、人種の違うもの同士での婚姻や交配を意味し、転じて混血児全般を表す言葉になった。特に白人とインディオの混血のことを指すことが多い。
概要・詳細
中南米のほとんどの地域では16世紀のスペイン侵略以降、混血が進んだ。征服初期は軍事活動に伴うコンキスタドーレスによるインディオ女性への大規模な強姦が頻発し、征服が一段落した後は強大な経済的、社会的権力を背景にスペイン人達が多数のインディオ女性を妾とし性的関係を持つことになる。南米では、エクアドル・ペルー・ボリビアのアンデスの国々では比較的インディオの特徴が強いメスティーソが多い。これは、スペイン侵略までインカ帝国という強大な国家があったことと、山岳地域という地形を利用して侵略者をある程度退けたり侵略者から逃げ回ったりできたということに起因するものと思われる。一方、チリ・アルゼンチン・ウルグアイなどの南米南部の国々では比較的白人の特徴が強いメスティーソが多い。南米最大の国であるブラジルの場合、スペイン人等によってアフリカから奴隷として連れてこられた黒人が多かったことより、黒人の特徴を持つ人も数多くいる。黒人と白人の混血児はムラート、黒人とインディオの混血はサンボと呼ばれる。
「メスティーソとインディオの混血」や「ムラートとメスティーソの混血」などを細分化して名称をつける人もいるようだが、混血化が進んで何百年も経っている現在においてはそれはほとんど意味をなさない。また、「○○国の人口構成は白人○○%、インディオ○○%、メスティーソ○○%」というような表記がしばしばなされているが、混血が始まった頃からの戸籍管理がしっかりしている訳も無く、自己申告に基づく調査によるものと思われる。一説には、中南米には白人の血が全く混じっていない純粋なインディオや、インディオの血が入っていない純粋な白人はほとんどいないのではないかとすら言われている。このため、現代においては形質的・血脈的特徴でなくスペイン語を母語とする者をメスティソ、インディオの言語を母語とする者をインディオとして峻別する場合もある。 また、スペイン語を母語とする者は、人種的特徴の如何に関わらず、インディオと呼称されることを忌避し、メスティソと自己規定することが多いとされる。また、厳密にはメスティソであっても、白人の血が濃い者は白人と自己規定することが多く、これはメスティーソがインディオ的な形質よりも、白人的な形質に憧れる傾向があるためだといわれている。
それとは逆に、パラグアイのメスティーソたちは自分たちのインディオ血統を誇るものがおおいともいう。これはスペイン人の征服当時からグアラニー人との友好関係が続いたことと、19世紀パラグアイにおける、国家的混血政策(フランシア博士ら)によるものである。
ペルーやボリビアでは、先住民やメスティーソのうち、インディヘナ的な文化、習俗を強く維持している人のことをチョロ(女性はチョラ)と呼ぶ。特に女性で、スペイン統治時代の名残を残す伝統的な衣装を着た人たちはチョリータ(男性はチョリート)と呼ばれる。なお、チョロ・チョラ・チョリート・チョリータともに侮蔑的な意味を含むことがあるので、これらの言葉の使用には注意が必要である。
中南米以外での類似した存在
フィリピン
スペインの植民地だったフィリピンでは先住民と中国系の混血者をメスティーソと呼ぶことが多い。これはスペイン本国からフィリピンが遠すぎたため、スペイン人入植者が余り増えなかったためだと考えられる。
カナダ
北アメリカのカナダでは、フランス人とインディアンの混血者はメティスと呼ばれた。メティスは近年再び一つの民族集団として存在感を発揮している。
アフリカ
ポルトガル語圏アフリカ(アンゴラ、カーボ・ヴェルデ、モザンビーク、サン=トメ・プリンシペ、ギニア・ビサオなど)では、メスチーソ(mestiço)は黒人と白人の混血、つまりムラートを指す言葉である。
歴史的なメスティーソの役割
メスティーソはその起源ゆえに白人からは妾の子として蔑まれ、一方インディオからは征服者の血を引き継ぐものとして疎まれた。メスティーソは両者の中間にあってそのどちらでもない新たな民族集団として振舞うことが多かった。なお、メキシコではインディオがメスティーソを『マリンチェの子』(征服者エルナン・コルテスの妾となった先住民女性マリンチェに由来)と蔑むことがある。