「ヌセルト数」の版間の差分

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'''ヌセルト数'''('''Nusselt number''' : ''Nu'') はドイツの [[ヴィルヘルム・ヌセルト]] (1882-1957) に因む無次元数で、伝熱の分野で、[[対流]]による熱伝達と流体(静止している流体)の熱伝導の比率を示す。対流が生じていなければ<math>Nu=1</math>である。
'''ヌセルト数'''('''Nusselt number''' : ''Nu'') はドイツの [[ヴィルヘルム・ヌセルト]] (1882-1957) に因む無次元数で、伝熱の分野で、[[対流]]による熱伝達と流体(静止している流体)の熱伝導の比率を示す。対流が生じていなければ ''Nu'' = 1 である。


ヌセルト数は
ヌセルト数は
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:<math>Nu = \frac{\alpha \cdot L}{\lambda_l}</math>
:<math>Nu = \frac{\alpha \cdot L}{\lambda_l}</math>


* ''&alpha;'' = 流体の[[熱伝達率]]: [J/m<sup>2</sup>sK]
*''&alpha;'' = 流体の[[熱伝達率]] [J/(m<sup>2</sup> s K)]
* ''L'' = 代表長さ:[ m ]
*''L'' = 代表長さ [m]
* ''&lambda;<sub>l</sub>'' = 流体の[[熱伝導率]]:[ J / (m s K)]
*''&lambda;<sub>l</sub>'' = 流体の[[熱伝導率]] [J/(m s K)]


[[次元解析]]によれば、ヌセルト数と[[レイリー数]]<math>Ra</math>の関係は、
[[次元解析]]によれば、ヌセルト数と[[レイリー数]] ''Ra'' の関係は、


:<math>Nu \propto Ra ^{1/3}</math>
:<math>Nu \propto Ra ^{1/3}</math>


となることが予想される。実験的には<math>Ra>10^5</math>の条件において
となることが予想される。実験的には ''Ra'' > 10<sup>5</sup> の条件において


:<math>Nu \approx 0.13 Ra ^{0.30} </math>
:<math>Nu \approx 0.13 Ra ^{0.30} </math>


で近似できることが確かめられている。
で近似できることが確かめられている。

==関連項目==
==関連項目==
*[[シャーウッド数]]物質移動のヌセルト数
*[[シャーウッド数]] - 物質移動のヌセルト数


[[Category:無次元数|ぬせるとすう]]
[[Category:無次元数|ぬせるとすう]]

2008年7月21日 (月) 15:17時点における版

ヌセルト数Nusselt numberNu) はドイツの ヴィルヘルム・ヌセルト (1882-1957) に因む無次元数で、伝熱の分野で、対流による熱伝達と流体(静止している流体)の熱伝導の比率を示す。対流が生じていなければ Nu = 1 である。

ヌセルト数は

次元解析によれば、ヌセルト数とレイリー数 Ra の関係は、

となることが予想される。実験的には Ra > 105 の条件において

で近似できることが確かめられている。

関連項目