アルバム

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アルバム (Album) とは、音楽家による楽曲を一定数以上収録したメディアCDなど)である。

ビートルズ1967年にリリースした「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」の発売以降に定着したもので、一般的にはそれ自体のパッケージ(ジャケット写真など)も含めて、ミュージシャンの芸術表現の一部と見なされる。

音楽業界に於いて、ビジネスの単位が単価の安いシングル盤から、アルバムというより単価の高いメディアに移行したことによる構造改革効果は実は絶大なものがある。それ以前は単価の安い単曲中心のビジネスだったために、楽曲がたとえ話題になってもレコード店や物流業者は利幅が薄く、そして制作者の側も1曲のプロモーションのためにその都度コンサートなどのハードなプロモーション活動を数多くこなさざるを得なかったために、疲弊して故障しリタイアしていく場合がほとんどだった。しかしアルバムという単位が出来て以降は、制作者の側もスケジュールと資金に余裕ができるようになり、なおかつ物流の側もより大規模なロジスティックスを構築して制作側と協調してプロモーションを展開して利幅を大きく取れるようになった。こうしたふうにアルバムというパッケージング概念が、物流や制作側やリスナーの環境すべてを健康的な方向に変化させた効果は、もっと指摘されるべきことのように思われる。

近年の問題点は、ポップミュージックの表現がある程度類型化してきたために訴求力を失ってきていることに加えて、インターネットによる音楽配信や手軽なCD作成環境の普及などの影響で、モノとしてのアルバムを購入する行為そのものの価値が消費者の間で急速に薄れつつあり、それに対して業界は具体的な打開策を見いだせていないのが現状である。(→CD不況)

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