尾島碩聞

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尾島 碩聞(おじま せきもん、生没年不詳)は、明治時代の家相家である。

経歴[編集]

田中茂公の著作[1]によると、碩聞は江戸時代後期の家相家、松浦琴鶴の門下であった。また、東京の小石川伝通院の境内に住み、家相鑑定および家相研究を行っていた。

碩聞は貴重な家相関連の資料を研究して、江戸時代に活躍した神谷古暦松浦東鶏、松浦琴鶴などの家相法の特徴を『家相新編(上)』[2]でまとめている。

碩聞とその養子である尾島碩宥[3]が収集した天文・暦法・易占関係の書籍は礫川堂文庫と称された。

しかし、礫川堂文庫の多くは戦災で焼失し、碩聞が研究した家相書も失われた[4]。そのため、『家相新編(上)』は、江戸時代の家相法を知る上で貴重な資料となっている。

心理学者の尾島碩心は碩宥の長男[3]であり、碩聞の孫である。

著作[編集]

  • 尾島碩聞『方鑑必携』、礫川堂、1878年。
  • 尾島碩聞『方鑑大成』、礫川堂、1888年。
  • 尾島碩聞『家相新編』、礫川堂、1901年。

脚注[編集]

  1. ^ 田中茂公『住宅運命大観』、神霊館、1925年、p.6。
  2. ^ 尾島碩聞『家相新編』、礫川堂、1901年。
  3. ^ a b 大衆人事録 第14版 東京篇」国立国会図書館デジタルコレクション
  4. ^ 村田あが「『家相新編』にみる明治期の家相説」、『跡見学園女子大学短期大学部紀要」、2002年3月、p.36。