大手町資料室連絡会

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大手町資料室連絡会(おおてまちしりょうしつれんらくかい)は、東京都千代田区大手町に所在する専門図書館の連携団体である。1968年設立。

設立の経緯[編集]

1968年10月17日、東京都千代田区大手町に所在する日本開発銀行日本鉄鋼連盟経済団体連合会がそれぞれの資料室相互の連携を呼びかけ、11機関が参加して大手町資料室連絡会が発足した[1][2]。設立の背景には、情報量が増大して多様化し、利用も活発化したことがあり、一つの機関だけでの対応に限界があることから、近隣の専門図書館が連携して資料の収集、整理、提供について相互協力しようとするものだった[2]。設立目的は「相互協力を通じ、加入機関資料室の相互の向上と効率的な資料管理に資すること」と記されている[3]

参加機関[編集]

発足時の参加機関は、日本開発銀行中央資料室、日本鉄鋼連盟資料室、経済団体連合会図書館石川島播磨重工業本社図書室、国民金融公庫調査部図書室、中小企業金融公庫調査部図書室、電力中央研究所資料室、日本経済研究センター資料部、日本長期信用銀行資料センター、日本輸出入銀行資料室、労働省図書館の11機関であったが、1970年に新日本製鉄調査部資料室、全国農業協同組合連合会図書資料室が参加し、翌1971年に北海道東北開発公庫調査部資料センターが参加して14機関になった[4]。その後労働省が霞が関に移転して連絡会を退会し、13機関になった[1]。13機関の内訳は、金融機関6、団体3、民間企業2、シンクタンク2であった[2]。1997年には15機関に増加しているが[5]、その後は徐々に減少し、2017年には5機関となった[3]

活動内容[編集]

発足以来参加機関どおしの資料相互貸借を実施し、そのための総合目録を作成してきた[2][4][6]。事務局は設けず、各機関持ち回りで幹事を務めている[2]。運営が円滑に進んだ理由として、1)本社・本部が大手町に所在し自社ビルが多かったので、安定したネットワークを維持できたこと、2)資料室設置機関の主要業務の重複と広がりが資料構成に反映され、相互利用価値が高いこと、3)非営利機関が多く協力の障害が少なかったこと、4)会員相互の情報交換が活発に行われたこと、が挙げられている[2]

このほかに、重複資料の分担保存や業務研究会、研修会、講習会も行っている[4][7]

刊行物[編集]

参考文献[編集]

出典[編集]

  1. ^ a b 宮崎亮子 (1989-02). “大手町資料室連絡会20周年”. 専門図書館 (122): 25-28. https://dl.ndl.go.jp/pid/3444075/1/16. 
  2. ^ a b c d e f g 柳井君枝 (1992-10). “大手町資料室連絡会の相互協力--北海道東北開発公庫における利用の現状から”. 図書館雑誌 86 (10): 736-738. https://dl.ndl.go.jp/pid/11230863/1/30. 
  3. ^ a b 専門情報機関総覧 2018』専門図書館協議会、2018年2月、797頁。ISBN 978-4-88130-026-8 
  4. ^ a b c 喜多堅吉 (1976-02). “大手町資料室連絡会の概況”. びぶろす : 支部図書館・専門図書館連絡誌 27 (2): 12-14. https://dl.ndl.go.jp/pid/9664307/1/8. 
  5. ^ 『専門情報機関総覧 1997』専門図書館協議会、1997年4月、741頁。doi:10.11501/12274388 
  6. ^ 村橋勝子 (1991-03). “経団連図書館のILL 一 大手町資料室連絡会と経済文献研究会における相互協力を中心に”. 情報の科学と技術 41 (3): 255-261. doi:10.18919/jkg.41.3_255. 
  7. ^ 岡本清美 (1982-09). “参考図書総合目録の効果--大手町資料室連絡会編「ビジネス・レファレンス・ブック」の事例を中心に”. 専門図書館 (90): 20-22. https://dl.ndl.go.jp/pid/3444042/1/15. 
  8. ^ 『専門情報機関総覧 1994』専門図書館協議、1994年3月、825頁。doi:10.11501/12276797 
  9. ^ 『専門情報機関総覧 2000』専門図書館協議会、2000年9月、669頁。ISBN 4-88130-016-4 
  10. ^ 『専門情報機関総覧 2003』専門図書館協議会、2003年9月、595頁。ISBN 4-88130-020-2