大岩弘法院磨崖仏

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大岩弘法院磨崖仏(おおいわこうぼういんまがいぶつ)は、福岡県田川郡香春町の大岩弘法院にある磨崖仏。香春町指定文化財 第七号。

金剛界を表す巨岩に刻まれた摩崖仏で、岩の下には仏の胎内(胎蔵界)を表す長さ20.5mの洞窟がある。制作年代は不明だが、鎌倉期よりは浅く、江戸時代以降のものとされる。

巨岩には、金剛薩埵(こんごうさった)を中央に、右に虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)、左に天忍骨尊(あめのおしほねのみこと)を配した三尊と、釈迦如来種子「भः」(バク)、不動明王の種子「हां」(カーン)の2つの梵字が刻まれている。天忍骨尊は天照大神の子であり、香春岳二之岳及び英彦山神宮の主神である。

また、三尊には諸説あり、それぞれ弘法大師(空海)の青年期、壮年期、晩年期を象徴していると言われ、大岩弘法院とは大岩の弘法大師を祀る寺院であるとも言える。

三尊が弘法大師であると考える理由は以下の通り。

1、右に彫られた虚空蔵菩薩。弘法大師(空海)が青年の頃、山中に籠って虚空蔵菩薩を本尊とした密教修行である求聞持法をよく修法していた事。

2、中央に彫られた金剛薩埵。弘法大師(空海)が密教の真髄を求め唐に渡り、恵果阿闍梨より密教の奥義を授かった姿が、まさに大日如来から一番に密教の教えを授かった金剛薩埵そのものであるという解釈。

3、左に彫られているのは、剃髪し袈裟をつけ台座に結跏趺坐で法界定印(禅定印)を結んだ僧形の像。火焔光背があり、長らく地蔵菩薩なのか僧侶なのか不明であった。駒沢大学教授の調査によれば、英彦山神宮の天忍穂耳尊に姿が似ており当地が英彦山修験道との関わりも深いと考えられる事から、平成十六年に天忍穂耳尊である説が立てられた。また、当地の目の前に望む香春岳の二之岳の鎮守は天忍骨尊(天忍穂耳尊)であり、今は香春神社で合祀されている神である。一方で、瞑想に入っている僧の姿にも映る事から、高野山奥之院に籠って入定されている弘法大師(空海)の姿を彷彿させる。つまり大岩磨崖仏の下の窟の中で弘法大師が今も衆生済度の為に修行されていると考えるのである。

大正時代、豊前の材木商であった大木熊太郎氏が夢枕に姿声を聞き「我は大岩の大師である、そなたの手によって世に出して欲しい」と告げ、夢で見た場所を探してみると、薮に埋もれた大岩の磨崖仏があったと語る。

大岩の大師、即ち大岩にいる弘法大師と考えられるのである。

年中行事[編集]

  • 毎月第2日曜日 - 不動護摩 11時
  • 2月第2日曜日-厄除開運星祭り
  • 3月春分-彼岸法要
  • 8月-施餓鬼法要
  • 9月秋分-彼岸法要

外部リンク[編集]