墨割り

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墨割り(すみわり)とは、日本古来の伝統的な染め物の一種である。似たようなものに墨流しというものがあるが、科学的な根拠を言えば、まったくの別物である。

方法[編集]

まず、平たいトレイに200mlを入れる。次に、飽和ミョウバン水溶液2~4mlを入れ、よくかき混ぜる。そこへ、墨汁(ただし墨を硯ですったもの)をたらす。その後、先にセッケン水がついている爪楊枝で水面をつつく。うまくいけば、墨の膜に亀裂模様が入るはずである。つつく作業を何回か繰り返すと、神秘的な模様が出来る。これを和紙に取ったら完成である。なお、カラー版も作ることは出来るが、その際は、膠が含まれている絵具を使用すること。

理由[編集]

ミョウバン水溶液に含まれるアルミニウムなどの塩(えん)のせいで、墨は水面上に固まって浮かぶ(コロイド凝析)。水には表面張力が働いているため、たがいにひっぱり合っている(水素結合)。しかしセッケン水には表面張力がほとんど働かない。このため、セッケン水で突く(単分子膜の形成)と、水が周りを引っ張るため、墨の膜が割れる。
※亀裂になるのは、墨が固まっているためで、紙を破ると直線状になる。 ミョウバン水溶液の量・墨汁をたらしてから割るまでの時間によって亀裂の模様は変わる。

参考文献[編集]

日本化学会編 「教師と学生のための化学実験」 東京化学同人 (1987)

関連項目[編集]

外部リンク[編集]