搗栗

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搗栗(勝栗、かちぐり)は、の実から殻と渋皮を取り除いて乾燥させた保存食延喜式では「搗栗子(かちぐり)」として記されている[1]

文化[編集]

栗のみを乾燥させてシワが寄ったものをでつき殻と渋皮を取り除く[2]。搗栗(かちぐり)は栗の実を棒で突いて搗(か)ちたもの(殻と渋皮をむいたもの)という意味である[3]

「勝栗」とも表記し、勝ちの語句が縁起が良いことから、武家では戦勝の祝いにの実とともに供えられた[2]。行事食として熊本県などでは正月に榧の実とともに供える風習があった[2]。また、日本の民間伝承として搗栗を節分にまく風習も見られた[4]

なお、「勝栗」として蒸した栗を扁平に加工した菓子(打栗)を供することもあった[5]

出典[編集]

  1. ^ 栗(くり)”. 丸果石川中央青果. 2023年1月25日閲覧。
  2. ^ a b c 樫野葉舟. “本邦飮食物概觀 (4)”. 日本醸造協会雑誌34巻 (1939) 5号. 2023年1月25日閲覧。
  3. ^ 歴史館だより 令和4年秋号 Vol.15”. 出水麓歴史館. 2023年1月25日閲覧。
  4. ^ 飯野吉晴. “節分と節供の民俗”. 天理大学. 2023年1月25日閲覧。
  5. ^ ”. 社会医療法人社団 順江会 東京綾瀬腎クリニック. 2023年1月25日閲覧。