動的構造因子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

散乱理論における動的構造因子S(\vec{Q},\omega)とは、粒子の運動の時間相関および空間相関を特徴づける量である。

動的構造因子は二体相関関数

G(\vec{r},t)=\langle  \rho_{-\bold{r}}(t)\rho_{\bold{r}}(0)\rangle

の空間および時間についてのフーリエ変換で定義される。

S(\vec{Q},\omega) = \frac{1}{2\pi \hbar} \int \int G(\vec{r},t) e^{i(\vec{Q}\vec{r}-\omega t)} d\vec{r} dt

ここで\rho_{\bold{r}}は原子密度の空間的変動を記述する演算子である。この二体相関関数は,時刻0の時にある位置にいた粒子と,時刻tの時に位置\vec{r}にある粒子との相関を表す。

また動的構造因子のエネルギー積分のことを静的構造因子と呼ぶ。

非弾性散乱の例[編集]

非弾性散乱を考える。入射粒子のエネルギーをE_0波数ベクトル\vec{k_0}とする。この粒子が物質によってエネルギーがE_0+h\omega、波数ベクトルが\vec{k_0}+\vec{Q}の状態に散乱されたとする。

このときの微分断面積\sigmaは、ボルン近似によって次のように物質の動的構造因子S(\vec{Q},\omega)で表せる。

\frac{d\sigma}{d\Omega d\omega}=\frac{|\vec{k_0}+\vec{Q}|}{|\vec{k_0}|}b^2 S(\vec{Q},\omega)

ここでb衝突径数である。

関連項目[編集]