主辞駆動句構造文法

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主辞駆動句構造文法: Head-driven phrase structure grammar, HPSG)は、Carl Pollard と Ivan Sag が開発した非派生的生成文法理論である(1985年)。一般化句構造文法の直接の後継である。HPSG は計算機科学からも関心を寄せられ(データ型理論や知識表現)、フェルディナン・ド・ソシュールのシーニュ(記号)の記法を使う。形式主義的でモジュール性があることから、自然言語処理からも関心を寄せられている。

HPSGの文法には原則や構文規則だけでなく、従来は文法に含められることがなかった「語彙」も含められている。その形式主義は語彙主義に基づいている。すなわち、語彙は単なる単語のリストではなく、それ自体が十分構造化されている。個々のエントリには型がつけられる。それらの型は階層を形成する。

HPSGが扱う基本型はシーニュである。は、シーニュの2つの異なる派生型である。語は2つの素性を持つ。[PHON](音、音声形式)と [SYNSEM](統語的、意味論的情報)であり、共にさらに細かく分類される。シーニュと規則は型付き素性構造(feature structure)として形式化される。

HPSGに基づいた構文解析器がいくつも作られ、その最適化が最近の研究対象となっている。例えば、ドイツ語の文章を解析するシステムがブレーメン大学から提供されている[1]オランダ語向けには、フローニンゲン大学が開発した Alpino がある[2]

各種言語の大規模なHPSG文法が DELPH-IN[3] 協力ネットワークによって開発されている。ドイツ語[4]英語[5]日本語[6]に関するものがオープンソースのライセンスで利用可能となっている。

関連項目[編集]

参考文献[編集]

  • Carl Pollard, Ivan A. Sag (1987): Information-based Syntax and Semantics. Volume 1: Fundamentals. Stanford: CSLI Publications.
  • Carl Pollard, Ivan A. Sag (1994): Head-Driven Phrase Structure Grammar. Chicago: University of Chicago Press. ([1])
  • Ivan A. Sag, Thomas Wasow, Emily Bender (2003): Syntactic Theory: a formal introduction, Second Edition. Chicago: University of Chicago Press. ([2])

脚注[編集]

外部リンク[編集]