中国四大美人

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中国四大美人(ちゅうごくしだいびじん、: 中国古代四大美女: Four Beauties, Four Great Beauties)とは、中国の歴史上において特に美人とされる四人の女性。

一般に次の四人の女性を指す[1]

  1. 西施春秋時代
  2. 王昭君前漢
  3. 貂蝉後漢
  4. 楊貴妃

異説として卓文君前漢)を加え、王昭君を除くこともある。また虞美人末)を加え、貂蝉を除くこともある。いずれにせよ西施と楊貴妃の二人は不動である[2]

沈魚落雁閉月羞花[編集]

「沈魚落雁」[3]・「閉月羞花」[4]はどちらも絶世の美人を表す四字熟語である(「沈魚落雁閉月羞花」も同じ[5])。「四美人」という画題として扱う場合は「沈魚美人」「落雁美人」「閉月美人」「羞花美人」の四人を連作した物を言う。また、俗説では絶世の美女である彼女達にも一点ずつ欠点があったとも言われる。

沈魚美人:西施[6]

美の化身であり、美人の代名詞。「情人眼里出西施」(恋人の目には相手が西施に見える。あばたもえくぼ)という諺は、今でもよく使われる。西施が川辺で洗濯をしていたところ、あまりの美しさに引き寄せられてしまった魚が泳ぐことすら忘れ、川底へ沈んでしまったと伝えられる[7][8]。俗説では、大根足が欠点であったという。

落雁美人・王昭君[6]

漢の元帝(在位:BC48 - BC33)の時、匈奴を懐柔するため後宮の女官を一人、匈奴の王に妻として差し出すことにした。どうせくれてやるなら不美人を選ぼう、と宮女の似顔絵帳の中から王昭君を選び出す。別れに臨み王昭君と面会した皇帝は彼女の美しさに驚き、悔やんだ。王昭君は画家にわいろを贈らなかったため不美人に描写されていたのだ。画家は死刑になった。秋の良く晴れた日、王昭君は匈奴へと旅立つ。いよいよ辺塞の地に入るというところで、彼女は琴をかき鳴らし,離別を悲しむ曲を奏でた。折しも南へ行く雁が翼を動かすことも忘れ地上に落下したという[7]。俗説では、撫で肩が欠点であったという。

閉月美人・貂蝉[6]

三国志演義』で有名だが、中国四大美人の中でただ一人架空の人物である。

後漢の献帝(在位:189 - 220)の大臣・王允(137 - 192)の歌姫。元は孤児であったが王允が引き取り、実の娘のように諸芸を学ばせて育てた[9]。貂蝉が花園で月を眺めていると突如風が吹いてきて、雲が中秋の名月を覆い隠した。それを見た王允はわが娘がいかに美しいかを吹聴した。曰く「娘は月と美を競い、月はかなわぬと見るや雲間に身を隠した」と[7]。俗説では、耳の小さいことが欠点であったという。

羞花美人・楊貴妃[6]

貴妃に選ばれたはよいが、宮中に閉じ込められ故郷に帰ることもままならぬわが身を嘆いて花に話しかける。彼女が花に触れるとたちまち花はしぼみ、葉は閉じた。その花はたまたまオジギソウだったのだが。その様子を目にした宮女は周囲に言いふらした:「楊玉環(楊貴妃の本名)は花と美しさを比べ、花の方がはじらい、頭を下げてしぼんでしまった」[7]。「花も恥じらう乙女」という日本語の語源でもある[6]。俗説では、腋臭が欠点であったという。

関連項目[編集]

出典[編集]

  1. ^ Woo, X.L. (2016). Love Tales of Ancient China. Algora. pp. 1–4. ISBN 978-1-62894-204-0 
  2. ^ 加藤徹 (2018年5月28日). “中国の「悪女」たち 呂后・趙飛燕・武則天・楊貴妃”. 明治大学情報メディア部生田メディア支援事務室. 2020年9月24日閲覧。
  3. ^ 『講談社カラー版日本語大辞典』梅棹忠夫, 金田一春彦, 阪倉篤義, 日野原重明(監修)、講談社、1989年11月6日、1283頁。ISBN 4-06-121057-2
  4. ^ 藤堂明保, 加納善光(編著)『学研新漢和大字典(机上版)』学習研究社、2005年5月31日、1877頁。ISBN 4-05-300083-1
  5. ^ 『日本国語大辞典 第二版』第九巻、日本国語大辞典 第二版 編集委員会, 小学館国語辞典編集部、小学館、2001年9月20日、172頁。ISBN 4-09-521009-5
  6. ^ a b c d e 加藤徹 (2010年12月25日). “中国の四大美女”. isc.meiji.ac.jp. 明治大学情報メディア部生田メディア支援事務室. 2020年9月24日閲覧。
  7. ^ a b c d 中国古代四代美人 (PDF)”. text.asahipress.com. 株式会社朝日出版社 (2009年5月20日). 2020年9月24日閲覧。
  8. ^ 沉魚落雁 閉月羞花:古代四大美女”. big5.ce.cn. 中國經濟網 (2007年10月16日). 2011年7月25日閲覧。
  9. ^ 『ビジュアル三国志3000人』渡邉義浩(監修)、世界文化社、2013年10月5日、59頁。ISBN 978-4-41813233-1